前回の甘い緑茶の話に引き続き、シンガポールに関する小話を書こうと思う。
シンガポールに来たなら、マーライオンの前で写真を撮って、ハイナンチキンライスを食べに行って、パイナップルクッキーをお土産に買って、ナイトサファリを満喫する。
そしてセレブはマリーナベイサンズに泊まって一夜を過ごす。
おそらく多くの観光客がこのような、いわゆる「シンガポールと言えばこれ!」というコースを辿るだろう。
もし筆者が『シンガポールと言えば?』と聞かれたら、定番のものを言った後に、『ヤクルト』と答える。
筆者が言うヤクルトは、読者もよく知っているあの赤いアルミ蓋でお馴染みの乳酸菌飲料のことである。
しかし、シンガポールのヤクルトは、日本のヤクルトとは訳が違う。
『いや、同じじゃないか』と思った読者が多いはすだ。
写真だと分かりづらいが、日本はヤクルトの量が一本65mlなのに対し、シンガポールは100mlも入っているのだ。
ヤクルト工場の社員によれば、ヤクルトの量は国によってバラバラらしい。
日本と異なるところはここだけではない。注目すべきはその味の種類である。
シンガポールのスーパーに行くと、ヤクルトが四種類一つのパックになって売っているものをよく見かけた。
味はノーマル、オレンジ、ブドウ、青りんごとあり、現地の学生からは『全部美味しいけど、特にブドウ味が美味しいよ!』と言われた。
正直、それぞれの味に寄せた色の鮮やかさに衝撃を受けすぎて、味に期待はしていなかった。
が、実際に飲んでみると、日本で発売してほしいと思えるくらい美味しかった。
その時の写真を撮っておけばよかったととても後悔しているが、気になった人は「シンガポール ヤクルト」と画像を検索してみてほしい。
最初は色の濃さと鮮やかさに驚くかもしれない。
筆者はシンガポールにいる間にそれぞれの味を堪能し、何度も飲んだが、現地の学生同様ブドウ味がおすすめである。
(文・安藤 真季)