前回は港町エッサウィラの様子をご紹介しました。まだ読んでいない方はこちらからぜひご覧ください!
今回はマラケシュを出てスペインの見えるタンジェ、そして青い街シャウエンへ向かいます。
今回の旅の経路
まずはマラケシュから飛行機でタンジェへ。タンジェからバスでシャウエンへ向かいます。
旅路へ
空港へはフナ広場から再びバスL19番に乗ります。
余裕を持った時間のバスに乗れるように事前に調べてきましょう。同じバスを待っていたイギリス人男性はホテルの階段で携帯を落として壊れてしまったため、数日間携帯なし生活。そして今日も何も調べずにバス停に来たとのこと。携帯なしでの旅行は私にはハードルが高すぎるので感心してしまいました。
そして20分ほど遅れてバスが到着。第1弾でも紹介したように、往路の乗車券が復路の分まで兼ねているのでお忘れなく。のんびりとバスに揺られ、離陸の2時間前ギリギリに空港に到着。そして離陸の時間を数十分過ぎた頃にようやく搭乗が始まりました。
滑走路を歩いて乗り込む式です。滑走路にはトロフィーを持ってインタビューされている団体がいました。スポーツ選手なのでしょうか。よくわかりませんがトロフィー獲得おめでとうございます!!
タンジェの旧市街へ
空港到着後、まずは旧市街に向かいます。行き方はいくつかありますが、今回ローカルバスに挑戦することにしました。
空港からバス停まで30分ほど。それほど長くないと思って歩き始めたものの、炎天下の中、重たいバックパックを背負いながら歩く30分はだいぶ体力を奪っていきます。それでも天気が良く、風が気持ちよかったです。
朝食を食べていなかったのでバス停の近くの小さなお店でモロッコ版のクレープ、ムスンメンを購入。何層もの生地が重なった甘くないクレープのような味で、ジャムやハチミツ、チーズなどと一緒に食べます。
ローカルバスでは旧市街まで1時間半ほどの道のりがなんと65円!(1€=172円 2024.7.12)タクシーに比べてだいぶ節約することができました。
シャウエンへのバスまで時間があるのでしばらく散策してみることに。バス停からはひたすらに坂を下ります。
そしてその道中にもたくさんの猫ちゃんが!
海辺に行くとパワーストーンのような水晶なのか石なのかよくわからないものを押し売りしてくるおじさんが沢山います。上手く躱わしましょう。
そして対岸に見えるのはスペインです!思わずスペイン人の友人に電話をかけてしまいました。彼女はドイツにいるというのに・・・。笑
他にもマーケットや市場などをフラフラしながら時間を潰しました。
さて、売店でアイスを買ってバス停に向かいます。100円もしませんでしたが暑い日の冷たいアイスは体に沁みました。
衝突事故と気にしない人々
バスターミナル行きのバスに乗り込んだ数分後、ガシャンという音と共に停止。すれ違いざまにバスと乗用車がぶつかってミラーが粉々になってしまったようです。いつまでも発車する様子はありませんが、乗客は特に気にすることもなく座っています。10分程度経った時に、おそらく後発のバスに乗り込むように指示があり乗客皆でバスを乗り換え、無事に発車しました。アラビア語だったのでよくわかりませんでしたが・・・。
その後バスステーションに到着し、高速バスに乗り込みました。2時間強のバスでの旅。窓からの景色を楽しんでいたらあっという間に到着しました。
シャウエン到着後は旧市街に位置するホテルへ向かいます。バスステーションが山の下の方にあるのでひたすらに登らなければなりません。上り坂はかなりきつかったです。
ダルアントニオ
今回泊まるホテルはダル・アントニオ。ホテルの中まで真っ青に染まった壁、装飾。とても可愛らしいホテルでした。
朝からムスンメンとアイスしか食べていなかったのでお腹がペコペコ。オーナーのアントニオにおすすめのレストランを聞いて、そこへ行ってみることにしました。
ミートボールタジンとチーズ好きのフランス人
お勧めされたのは「Chez Fouad」というレストラン。メニューがなく、席につくと店主がいくつかタジンの種類を伝えてくれるのでその中から選びます。
料理が来るのを待っている間、向かいの席の女性と会話が弾み一緒に食事をすることに。彼女はフランス人で、いつからかチーズに魅了され、仕事をやめてチーズを求めて世界中を飛び回っているそう。
一人旅をしていると、同じく一人旅をしている人と一緒に食事をしたり出かけたりする機会が多くあります。30歳前後の人が多く、彼女や彼らの人生を知ることは自分の生き方にヒントを与えてもらっているような気分になります。
私はミートボールタジンとミントティーを注文しました。付け合わせのパンと、スパイスの効いたソースが絡んだ熱々のミートボールを一緒に食べると格別の美味しさでした。
食事が終わり彼女と青い街を探索しながらホテルに戻りました。屋上で星が綺麗に見えると聞いていたので屋上に行ってみると、長期滞在中のイギリス人男性がくつろいでいました。
残念ながら私のカメラには上手く星が収まりませんでした。。。
彼は定年済みで、季節ごとに色々な場所を渡り歩いているそう。そしてシャウエンは中でも彼のお気に入りの街。綺麗な夕日の見える丘を教えてもらいました。
イギリス人男性、オーナーのアントニオと一緒にモロッコの伝統衣装を着て記念撮影をしました。
青い街と素敵な贈り物
次の日は朝からシャウエンを観光します。
街中の壁が青く塗られていて、まるで写真集のなかに入り込んでしまったかのよう。
写真を撮っていたら壁を青く塗る職人さんが写真を撮ってくれました。そしてそのまま絨毯屋へ連れて行かれました。笑
色々なお土産屋さんをフラフラしているとあるお土産屋さんの店主のお兄さんが声をかけてくれました。彼はスペイン語を話すよう。スペイン語で何か伝えようとしてくれたのですが、教外スペイン語を1年履修したにも関わらず自己紹介しかできない私には通じません・・・笑
choose !!
と言われたので、困惑しながらも店内を見渡します。青い街シャウエンに似合う青いピアスを見つけたのでそれを指さすとそのまま袋に入れて渡してくれました。そして見せてくれたgoogle翻訳の画面にはプレゼントと書かれていました。
最初からgoogle翻訳を使えばよかったと言われればそうですが、面白くて素敵な経験ができました。お礼代わりにマグネットをいくつか購入しました。
タンジェやシャウエンなど北部の都市はスペイン語を話す人が多い印象を受けました。英語が通じないこともしばしば。
そろそろお腹が空いてきたのでランチにすることに。Googleマップの口コミを頼りに近くにあったレストランに入りました。
口コミに絶品だと書かれていたレモンチキンタジンを注文。レモンで爽やかに味付けされている柔らかいチキンに塩の効いたポテト。タジンのスープが染みた付け合わせのパン。どれもとても美味しかったです。
この頃からお腹の調子がおかしく、ホテルに戻って少し休むことに。
野良犬と夜景とスペイン人
数時間後共有スペースに出てみるとスペインから来た4人組に出会いました。彼らに誘われて、昨日の夜イギリス人男性にお勧めしてもらったスペインモスクへ夕日を見に行くことに。
歩いて30分程度、少し急な坂を野良犬と一緒に登っていきます。
地元の人によると耳にタグがついている犬は予防接種を済ませているから安全な犬だそう。私自身も狂犬病の予防接種は接種済みですがこのサイズの野犬は流石に怖い・・・
夕日には間に合わなかったものの、非常に素敵な夜景を見ることができました。
山を下りメディナに戻ってくると4人の中で唯一英語を話せて翻訳してくれていた女性が、
「私は今からやることがあるからホテルに戻らないといけないけど、他の3人は今から散歩に行くからもちろん行くよね?!」
と言われたので、スペイン語オンリーの散歩に参加してきました。会話は全てフィーリングです・・・笑
ホテルに戻るとアントニオがハーブティーを用意してくれていたので、屋上のテラスでお茶会をしました。星空の下で美味しいお茶を飲みながら話す、素敵な時間でした。
ちなみにアントニオはベルベル語、アラビア語、英語、スペイン語、ドイツ語・・・他にもまだまだ何ヶ国語も話すことができます。座学の場合特に言語学習のモチベーションを保つことはなかなか難しいですが、実際にその言語を話す人とコミュニケーションを取る機会があるとやる気が湧いてきます。私も言語の勉強を頑張らねば。
さて、こんなところでシャウエンでの旅は終了です。翌朝荷物をまとめてホテルを後にしました。
アントニオが会話の中で住み込みで働ける人を探しているという話をしていたので、何も考えずに面白そうだと思って連絡先を置いてきました。笑
後日談
実はこの1ヶ月程後に連絡が来ました。留学からの帰国のタイミングと被っていて都合が悪く実現はしませんでしたが、異国の山奥で働くというのが実現したらと思うとワクワクが止まりませんね。
終わりに
この時、熱やだるさがなかったからよかったものの、お腹の調子だけで言えば数年前に点滴まで必要になった胃腸炎と同等のレベルの調子の悪さに悩まされていた私。
以前SNSで旅行情報を発信している人で「インドでお腹を壊したら断食が一番!」という情報を見たのを思い出し、丸1日断食をしてフェズへの4時間越えのバスに臨みました。
さて、次回はモロッコ縦断旅最終回フェズ編です。私は果たしてバスを乗り切ることができるのでしょうか?
お楽しみに!
(文・堀越)