美食の団地…!?~春の「いちょう団地」散歩~

まだ4月なのに気温30度予報が出ていた土曜日、初めての「取材」に心を躍らせて降りた高座渋谷駅。風が心地よくて構えていたほど暑さは感じず、時間の流れがゆっくりとした素敵な場所でした。

今回の目的地は「いちょう団地」。ベトナム、ラオス、カンボジアを中心とした外国人が多く住む多国籍団地として知られている団地です。周辺には数多くのエスニック料理屋さんがあり、グルメスポットとしても知られています。

駅を出ると、期待を裏切らず、すぐにアジア食品店が現れます。このお店でベトナムのお茶セットを購入。ジャスミンやバラ、菊の花が入っていて、見るだけで気分が上がります。後日飲んでみましたが、味や香りはかなり野性味があり、少し好き嫌いが分かれそうでしたが暑い日にキンキンに冷やして飲んだら美味しく感じるのかも…!?とにかく見た目が綺麗だったので大満足です(笑)

お茶は大鍋で煮出します

いちょう団地へ向かう途中で、まるでジブリ映画にでてきそうな林を通ります。ほんの数十秒で通り過ぎることができるほどの大きさですが、林を出ると雰囲気がガラッと変わります。

あまりチェーン店を見かけないなと思っていたところ、OKを発見。その二階にある中国食材屋さんに入ってみることに。店内に入ると何かの香辛料なのか、日本では嗅ぐことのない特徴的な香りに包まれました。棚に並ぶ商品はほとんどが中国語表記。好奇心はくすぐられたもののどんな料理に使うのかわからず何も買わなかったことを帰宅後に後悔…。

ここでなんといちょう団地の情報を一つゲット。お店を営む中国の方によれば、いちょう団地にはもうあまり外国人は住んでいないんだとか。日本に移住してきた一世の世代に比べてその子どもの世代は収入が増えてきたため入居条件を満たせず団地に住めなくなったようです。現在は高齢となった移住者と日本人の高齢者が多く住む団地となり、過疎化が進んでいるそうです。こんな地元情報を中国語で聞き出してしまう先輩にただただ圧倒され卒業する頃にはこうなっていたいなと思いました。

ついにいちょう団地に到着。見渡す限り団地群が連なっています。駐車場の出口表示やゴミ捨てのルールの掲示をよくみて見ると日本語、中国語、ベトナム語などの多言語表記になっていました。事前にそのことは聞いていたものの、日本ではあまり見かけない文字にテンションが上がりました(笑)

ベトナム語表記の看板

外国の方や若者がいないかと周りを気にしながら、いちょうマートという団地の下にあるミニ・ショッピングモールへ向かいます。

あまり活気があるとも言えないものの病院や理髪店など生活を支える施設が入っています。その中で私たちは「シーワント」というアジア食品店に入ってみることに。マンゴスチンやライチといったフルーツの缶詰や冷凍ナマズなどの魚介類、ギザギザとした細長いタピオカ、エスニック料理のシーズニングなどが並んでいます。見覚えのあるパッケージだと思い、よくよく英語を読むと「シニガン」というフィリピン料理のシーズニングでした。以前フィリピンに行った時、その酸味と旨味が詰まった野菜たっぷりの濃厚なスープに激ハマり。帰国後もしょっちゅう、特に夏場はかなりの頻度で食卓に並ぶようになりました。フィリピンに行ってからかなり時間が経ったため本場の味を思い出すために購入しました。

上段の黄色いパッケージのものがシニガンスープのもと

1時頃、待ちに待った昼食を食べに「タン・ハー」という本格ベトナム料理屋さんへ向かいます。時々日本語の説明書きがあるもののほとんどの料理がベトナム語で書かれており料理は写真とフィーリングで選びます。メニューには麺類だけでもかなりの種類があり、私を含め、食いしん坊が集まる今回のメンバーは注文までのかなり時間がかかりました(笑)

読み方が書かれていないメニューは指差しで注文します

私が頼んだのは「ブン・ティット・チャージョー」という料理。ブンという細い米麺の上に甘辛く味付けした豚の焼肉、揚げ春巻き、野菜がたっぷりとのっていて一皿で何品もの料理を食べた気分になれるなんとも幸せな料理でした!ヌクマムというナンプラーのような甘いタレにつけて食べました。ほとんどすべての料理が1000円以下で食べられるのも魅力のひとつです!

すべての食感と甘み塩味酸味がベストマッチでした!

今回はいちょう団地で出会ったグルメを中心に書きましたが、団地でお会いした方々のお話もとても印象的で温かい気持ちになった初取材でした!