オンライン留学、1週間授業を受けてみて

見出し画像:Hatice EROLによるPixabayからの画像

オンラインでの留学が始まって3週間が経った。

正直なところ、留学が始まったという実感はあまりない。

正確には9月21日からウェルカム・シーズン(Welcome Season)という期間が2週間設けられており、授業が始まったのは10月5日、今週の月曜日である(10月10日時点)。

だから今日は、留「学」が始まってから記念すべき1週間目だ。

そこで本記事では、この3週間で私が体験したことをお伝えしようと思う。

 

オンライン留学、大学側の対応

ウェルカム・シーズンでは、レポートの書き方から英国でのインターンシップの探し方まで、様々なワークショップがオンラインで開催された。

またサークル(現地ではソサイエティー(society)と呼ばれる)の新入生歓迎イベントもすべてオンライン上で行われた。

友人や知人の話を聞くに、こうした派遣先大学のサポートはとても手厚いようだ。

正規の新入生と同様、留学生としてもこうした対応はとてもありがたかった。

 

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ときにはワークショップのリンクに不具合があって参加できないなどの問題も生じたが、録画されているため見逃した分は後で適当に見ておこうと思う。

またライブ・チャット機能が追加されて、急を要する問題はそちらで解決することもできた。

事務手続きでは、今年は開講されていないはずの授業が登録画面に表示されていたり、逆に取りたい授業に履修登録できなかったり、こうした瑣末な(?)問題を挙げればいくつかあるが、それらは担当の部署と連絡を取りつつやっていけばなんとかなるだろう。

 

それよりも私が現在進行形で困っていることが3つある。

 

オンライン留学で苦労していること

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まず1つ目は、他の学生の顔が見えないということ。

25人で電話をしている場面を想像してもらえばお分かりいただけるだろうか。

この気まずさ、縮まらない距離感、そして発話にかかる不必要なまでの労力。

授業によってはZoomを導入して相手の顔は見えるようになったが、やはり距離を縮めるには対面以上に時間を要する。

その場の空気を共有するということには、侮れない力があるようだ。

 

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2つ目は通信環境に左右されやすいということ。

教授が話すたびに雑音が混ざる、話の途中で声が途切れる。

遠距離であるが故なのか、こんなことは日常茶飯事。

もちろん日本国内でも同じことは起こるし、大したことないように聞こえるかもしれない。

しかし塵も積もれば山となるで、結構ストレスになる。

特に非ネイティブの私が英語を聞くときにはとても集中していなければならないので、この問題は一大事だ。

 

ついでに付け加えるなら、喋るの早い人多くない!?

心の叫びもここまでくるともはや悲鳴に近づいてきているが、今回の叫びの中では最も「留学らしい」ものと言えるかもしれない。

 

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この上ない人恋しさ

そして3つ目。実はこれが私の中では一番こたえている。

友達ができない。

オンラインで友達を作る方法がわからない。

ワークショップで知り合った日本人で、同じく留学で来ている人とはFacebookで友達になれたが、その人はすでにロンドンにいるため直接会うことはできない。

もしくはお互いに現地にいても、感染症対策の面から直接会うことは憚られたかもしれない。

ウェルカム・シーズンの初めのうちこそ私も「積極的に参加して友達を作ろう」と息巻いていたけれど、
2週目には時差も相まって疲れてしまった。

 

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そう、時差も結構辛い。

授業が始まるときにはこちらはもう寝る時間。

眠すぎて途中からウトウト、なんてことも…。

1週間体験した中で一番辛かったのは、夜11時に始まって深夜1時に終わる授業だった。

 

結局苦労話に終始してしまったが、これが今の私の正直な感想だ。

生活リズムも、心も、乱れまくった3週間だった。

 

まだ何もかも模索中だから、やってみないとわからない。

そしてやってみるだけじゃなくて、継続してみないとわからない。

そう信じてもう少し踏ん張ってみようと思う。

そうすればきっと、私の感想もアップデートされていくだろう。

 

最後に、ここまで来て気づいたこと。

2020年度入学・編入の人たちはきっとこれに近い体験をしたんだ…。

オンライン留学で思いがけず得た新たな視点だった。

 

(文・小林かすみ)

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長期休暇に入ると海外行きたい欲求が高まる日本語専攻(2018年度入学)。2019-2022年度編集長。好きな本は片桐はいり著『グアテマラの弟』。