Malta is Wonderland—七色に輝く地中海の宝石箱—Part1

Il-ġurnata t-tajba!

(マルタ語で「こんにちは」の意。)

 

突然だけどクイズターイム!(パパン)

「これをもって44年間続いた冷戦に終止符が打たれた、1989年にアメリカとソ連の間で開催された歴史的会談」ってなーんだ?

少し歴史に詳しい人なら答えられたと思うけど、答えはマルタ会談でした!

このマルタっていうのはこれから皆さんに紹介する地中海のど真ん中に浮かんでいるとっても小さな島なんだけど、きっと多くの人が「マルタ」っていう言葉を聞いて思い浮かべるのはこの会談のことだとおもうんだよね。あと、愛犬家だと「マルチーズ」っていう犬種がマルタ原産ってことを知っているくらいかも。とにかく、日本においてマルタという国の知名度は残念ながら低いんだ。そこで今日はこの記事をもってしてみんなにこの国の存在、そしてこの国の面白さ、素晴らしさを紹介して行こうと思っているよ!

マルタ島南東部に位置するMalsaxlokk(マルサシュロック)という小さな漁村、この村の沖合に停泊していた船の上でマルタ会談が開催されたんだ。

小さいけど侮ってはいけない理由が歴史にある!

私が思うにマルタの日本での認知度が低い理由っていうのは、単に日本から遠い(約10000km)っていうのもあると思うんだけど、何よりその小ささにあると思う。れっきとした一つの国なんだけど、面積はたったの316㎢しかなくて、これは東京23区の半分の面積に相当する。EUの加盟国なんだけどその加盟国の中でも最小。世界の国の面積ランキングでも185位ととにかく小さい。そりゃそんなニッチな国知ってる方が珍しいよね。

ただ、この国、小さいだけでは終わらないのがすごいところなんだ。なんと今から約7000年前から人の営みがなされていて、かの有名なエジプトのピラミッドよりも古い人口建造物も現存する。(ちなみにその構造物たちは「マルタの巨石神殿群」というくくりで世界遺産にも登録されているよ。なんと小さな国土ながら3つの世界遺産を擁しているんだ!)本当ならばマルタの悠久の歴史を余さず語りたいところなんだけど、どう考えてもスペースが足りないので、ここではマルタを統治したことのある勢力の名前を連ねるだけにするね。

フェニキア人(B.C.1200)、ギリシア人(B.C.800)、カルタゴ(B.C.250)、ローマ人(B.C.200)、ゴート族(A.D.464)、ビザンツ帝国(533)、アグラブ朝(870)、ノルマン人(1090)、神聖ローマ帝国(1220)、フランスアンジェ家(1282)、スペインアラゴン家(1410)、スペインカスティーリャ家、マルタ騎士団(1530)、イギリス(1800)

並べるだけでもこの多さわかってもらえるかな。また、歴史に興味のある方だったらこの文字面見ただけで胸が高鳴ってしまうんじゃない?その国の歴史っていうのは時代とともに作られていくものだけど、今のマルタっていうのはこれらの勢力の特徴をそれぞれ受け継いだ面白い国になっているんだ。それだけ見どころも多いってことだね!例えばマルタの公用語の一つ(もう一つは英語!)マルタ語は約1200年の前のアラブ勢力統治時代に使われていたアラビア語の影響を強く受けている。さらにマルタっていう国名自体もフェニキア語のmelita(避難所の意)、ギリシア語のmelita(蜂蜜の意)から来ていると言われているよ。

約500年前に建立されたゴゾ島(マルタ第二の島)のチッタデラ(城塞)から望む夕暮れ。なんて綺麗なグラデーションなんだろう。

マルタの花鳥風月に溺れろ!

日本での知名度はまだまだと述べて来たけど、ヨーロッパの人々にとってマルタはヴァカンスの行き先として大変人気があるんだ。近年ではLCCの台頭によってマルタとヨーロッパの主要都市間の航空券はなんと日本円にして1200円からあるんだ!!(これはつまりヨーロッパの主要都市に旅行に行ったら1200円余分に払うだけでついでにマルタにも行けてしまうということだよ!)

ただいくら安くたって感動がないところには誰もいかないと思わない?そう!マルタには人々を惹きつける魅力が盛り沢山なんだ。

まず、マルタっていうのは地中海にちょうど真ん中に位置していてキリスト教勢力の最果ての地なんだよね。要するにもう少し進むとそこには自分たちと全く違った生活様式を持つアフリカ大陸の国々があるわけだ。そのような自分たちの日常生活と少し乖離した「非日常」に片足を踏み入れられることがマルタを訪れる魅力の一つだね。

さらに島国なので一碧万頃の海はもちろん、どことなく冒険心をくすぐられる荒野などの自然が心の琴線をぐっと掴んでくるんだ。ともあれ百聞は一見に如かずってのはこの世の真理だと思うから以下の画像を見てくれれば私が何を伝えたいかわかってくれると思う。

青い海に青い空、そして萌えたぎる草花に威厳を示す教会。ここまで素晴らしい構図だと撮らされているカメラも思わずニッコリだね。(ゴゾ島にあるTa’Pinu教会。ここでかつて宗教的奇跡が起こったため建立された。ローマ法王も訪れている。)
紺碧の海原を進むボート。あまりに透き通りすぎてボートが浮いているように見えるので「空とぶボート」なんて言われることもあるよ。(マルタ第3の島、コミノ島。天気が良くないと島へ行くボートが運行しない。)
何気ない散歩道、ふと横を向いてみるとこのような景色も。たった數十分の散歩道なのに今から遠い何処かまで冒険するようなワクワク感が味わえるね。
自然の壮大さには勝てないと実感する。みんなはこの光景を眼の前にして何を思うだろうか?(マルタ島にあるBlue Grotto。風が弱ければボートに乗ってこの真下まで行くことができるぞ!)

 

(文・坂部 航太)