行きたい旅行先「まだ」圏外の国ジョージア、行ってよかったスポット&食べてよかったグルメ—トビリシ編

2022.9.11 撮影:小林かすみ タマダ(თამადა tamada)像。タマダとはジョージアの宴会「スプラ」(სუფრა supra)を仕切る役割の人のこと。

前回の記事でお話しした通り、私は2022年9月に2週間ジョージアに滞在した。

今回の記事では当初、私が滞在期間中に訪れることのできた3都市——トビリシ、カヘティ、バトゥミ——のイチオシスポット&グルメを紹介するつもりだった。しかし書いてみたら一回ではとても収まるような量ではなくなってしまった。

それもそのはず。ジョージアには見るもの、すること、食べるもの、どれもたくさんあったのだ(ご飯は本当に大盛り)。行きたい旅行先ランキングこそ「まだ」圏外ではあるものの、そのうち日本からも訪れる人が増えるのでは、と私はふんでいる。

ということで、今回はジョージアの首都トビリシで私が実際に訪れてみて「いいな」と思った場所をご紹介する。

前回の記事『ジョージア〜トビリシの思い出〜2022

目次

トビリシ

決して大きくはないものの、見どころ満載なトビリシ。今回は私が実際に行ってよかったなと思ったところ、もっと時間をかけて巡りたかったところなどをご紹介。

↑番号になっているのは旧市街ツアーの道順

一度は歩きたい、歴史が息づくトビリシ旧市街

トビリシを訪れたらぜひ歩きたいと思っていた旧市街。ラッキーなことに、ジョージ(外大ジャパ科卒)の友人でガイド経験もある人が半日かけてこの辺りを案内してくれることになった。経路は上の地図の通り。

2022.9.11 The Clock Tower 撮影:小林かすみ

スタート地点は時計塔。まるでハリー・ポッターに登場するウィーズリー家の家のような、絶妙なバランスで建つ建築に多くの観光客が足を止めて見入っていた。

2022.9.11 Leila 撮影:小林かすみ

時計塔を後にし、イオアネ・シャヴテリ通り(იოანე შავთელის ქუჩა Ioane Shavteli St.)をまっすぐ進む。途中にあるカフェ「Leila」は、毎週火曜放送のNHK旅番組『世界ふれあい街歩き』にも登場した人気のカフェだ。Leilaを横目にそのまま直進し、いい感じの雰囲気のエレクレII通り(ერეკლე ქუჩა Erekle II St.)を進む。終点の絨毯屋さんも、おそらく番組に登場していたスポット。

しばらく進むとシオニ大聖堂がある。外の明るさとは対照的に、中は薄暗く厳かな雰囲気だった。女性は入るときに頭をスカーフやフードで覆うのがマナー。大聖堂の向かいの神学校、Tbilisi Theological Academyには若き日のスターリンも通っていたのだとか。隣には、かつての隊商宿「キャラバンサライ」を改修してつくられたトビリシ歴史博物館

2022.9.11 Bridge of Peace 撮影:小林かすみ

途中でジェラート休憩を挟み、今度は来た道を引き返して平和の橋(Bridge of Peace)へ。ユニークなデザインのこの橋は、地元の人からの受けがあまりよろしくないご様子。実際、ガラス製で曲線的なこの橋は、周囲の石造りの景観に馴染んでいるとは言い難かった。でも今は、そのユニークなデザインのお陰でトビリシの人気観光スポットの一つとなっている。

そんないわくつきの橋を渡り、ケーブルカー乗り場を目指す。このケーブルカーで、一気に対岸のナリカラ丘の上にあるジョージアの母像(Mother of Georgia)まで行くことができる。

2022.9.11 グラマラスなジョージアの母像 撮影:小林かすみ

右手には剣を、左手には客人のための盃を持った女性の像。当初は木製だったが、腐食が進んでしまったためアルミ製の物と交換されたのだそう。ジョージの友人たちは口を揃えて、このアルミ製の像を「グラマラスな像」と呼んでいた。なるほど、たしかに間近で見ると「出るところは出て」という体系にも見える。しかも木製の像の頃より、新しく作られたアルミ製の像の方が曲線美が強調されているのだとか。

ジョージアの母像の後ろの展望広場からは、広大な植物園を一望できる。

2022.9.11 撮影:小林かすみ

ジョージアの母像と同じ方角に向かって立つとトビリシの町が見渡せる。手前の赤茶色の屋根が目立つ一帯が旧市街、その奥は新市街。

ナリカラ要塞教会中央モスクなどを練り歩き、今度はひたすらに下り道を歩く。途中、地元民でなければ気づかないような小道を通り、螺旋階段を下って、レグフタケヴィ滝に出た。ここから温泉街まではすぐ。硫黄の独特の匂いが鼻をついた。

2022.9.11 鷹とキジの像 撮影:小林かすみ

滝から流れる小川を辿って歩くと、温泉街が見えてきた。そこでジョージア建国にまつわる伝説に登場する鷹とキジの像を発見。

在りし日のジョージア建国の父ワフタング・ゴルガサリ王が鷹狩りに出かけたところ、鷹とキジが温泉に落ちて死ぬのを目撃。それにより温泉が湧き出ていることを知ったゴルガサリ王はここに国を築き、首都となるこの地に「温かい」という意味のジョージア語「トビリ」(თბილი tbili)から「トビリシ」(თბილისი Tbilisi)という名前を付けたのだそう。

2022.9.11 撮影:小林かすみ

しばらく歩いて丘のふもとに戻ってきた。

2022.9.11 メテヒ教会 撮影:小林かすみ

メテヒ橋を渡り、ツアーの最終地点、ワフタング・ゴルガサリ王の像メテヒ教会に到着。1時に集合して、ゴールに着いた頃には陽が傾きはじめていた。

2022.9.11 古民家を改装したギャラリー 撮影:小林かすみ

この旧市街ツアーでは、街中の教会や建造物の歴史、興味深い秘話などをたくさん教えてもらい、トビリシの景観の美しさだけでなく奥深さにも触れることができた。ジョージの友人たちともたくさん話せて、本当に素晴らしい一日となった。ジョージ&ジョージのお友達のみなさんありがとうございました!

旧市街付近の食事処

ルカ・ポラレ(Luka Polare)

Google Mapより引用 撮影:serge cabano

美味しいジェラートのお店。何種類もある中から選ぶのは楽しかった。

所在地:34 Kote Afkhazi St, Tbilisi, ジョージア

Vera Garden Tea House

旧市街散策の後、ジョージと彼の友人たちと一緒に訪れたお店。店内は薄暗く、壁紙やテーブルクロスにはビンテージ風のお洒落な柄があしらわれている。壁にはアーティスティックな絵がかけられ、お店の空気感まるごと、お気に入りの文房具やラッピングペーパーを集めた小箱のようだった。

私はピーチティーを注文。甘いけれど後味はすっきりとしていて美味しかった。

所在地:37 Merab Kostava St, Tbilisi, ジョージア

ヴィンテージ・ハウス(Vintage House)

2022.9.21 Vintage House 撮影:小林かすみ

グリーンやハンギングが目を引くお店。私たちがお店に入ると、店主は和やかな表情で「3分で戻る」と言い残して優雅にたばこを吸いに行った。その人は戻ってきてからも終始穏やかな笑みを浮かべていた。

テーブルの周りは上も下も植物。背後にはさえずるインコ。足元にはふらっとやってきた大きな野良犬。なんだか不思議な空間だった。

食べたのはきのこのクリームスープ。お値段はちょっと高め。だけどあの不思議な空間は面白かった。

所在地:18 Anton Purtseladze St, Tbilisi, ジョージア

掘り出し物があるかも!?トビリシの蚤の市

私が訪れたのは、ドライブリッジ・フリーマーケット。町の中心部で毎日開かれている。

公園をぐるっと囲むようにして、屋台や歩道に広げたレジャーシートなどが軒(?)を連ねる。売られているのは、日用雑貨からカメラ、オーディオ機器、宝飾品、食器、「スプラ」(სუფრა supra)と呼ばれる宴会で盃として使われるホーン、などなど。道や机の上に所狭しと並べられた商品は、見ているだけで楽しい。

ちなみにスプラのホーンには本物の動物の角が使われており、中には50センチはあるのではないかという大物も。

しかしこのホーン、ちょっとクセもので、通常のワイングラスやビールジョッキのように置くことができない——角なので。ではどうするのかというと、「最後まで飲む」のだそう。出たな、ジョージアの酒豪伝説!どうか急性アルコール中毒にだけは気をつけてほしいものだ。

▶︎ジョージアの酒豪伝説については『インタビュー・冬のジョージアがおもしろい🇬🇪2話完結—お正月編

隣接している公園内では数多くのアート作品が並べられ、さながら野外アート・ギャラリーのよう。画廊のように絵が両側の壁に掛けられた通路では、初秋の午後の心地良い日差しのもと、おなじみのボードゲームに興じるおじさんたちや、絵の制作に勤しむ画家など、絵を売る人たちが思い思いにその時を楽しんでいた。

  • ドライブリッジ・フリーマーケット
ドライブリッジ・フリーマーケット付近の食事処

メグルリ・サフリ(მეგრული სახლი Megruli Sakhli)

ジョージアの西側に位置するメグレリ地方の料理を楽しめるレストラン。

雰囲気はまるでホテル併設のレストランのようで、Tシャツにジーンズ、背中にリュックが基本ルックの私は少し尻込みしてしまった。でも大丈夫、ドレス・コードはありません。

値段は、私の記憶が正しければ、小料理で18ラリ〜(900円)、メインディッシュで25〜35ラリ(1,250~1,750円)くらい(2022年9月現在)。

2022.9.20 撮影:小林かすみ

特徴は、ジョージア料理の中でも特にチーズが多く使われているということ。まるでマッシュポテトのような見た目のふわふわもちもちのチーズ料理や、チーズがベースのクリームの中にさらに塊のチーズが入った真っ白なチーズ・ソース、ふわもちチーズを揚げてサワークリームで食べる料理などなど、どれもチーズが使われている。というよりチーズが主役だ。

チーズの味は淡白で、ふわもちチーズは特に、味と食感も少しだけ、裂いた状態のさけるチーズに似ていた。

所在地:31 Atoneli St, Tbilisi, ジョージア

国会議事堂から劇場までが一同に集結、ショタ・ルスタヴェリ通り

2022.9.20 国会議事堂 撮影:小林かすみ

南端はフリーダム・スクエア、北端は第一共和国広場につながる大通り。国会議事堂から美術館や劇場、博物館などの文化施設、学校、商業施設、飲食店までありとあらゆる施設が集結している。ちなみに国会議事堂前では横断幕を掲げて抗議活動を行う人たちの姿を見かけた。

国立美術館では、ジョージアを代表する画家ニコ・ピロスマニの絵が観られる。実を言うと、他の展示は小規模でそこまで惹かれるものもなかった。しかし2階にあるピロスマニのコーナーと、その隣のコーナーは見応えがあった。学生証の提示で学生料金10ラリが適用となる。ただし条件は「英語で大学名が書かれていること」(外大の学生証はOK)。一般は20ラリ。

2022.9.20 日本語センター前 撮影:小林かすみ

ルスタヴェリ通りから一本裏道に入ったところに、日本語センターがある。ジョージがこのセンターで日本語を教えるというので、私もちゃっかりついて行くことにした。

センターの授業は月曜日から土曜日まで。下は小学生から上は大学生くらいまでの人が放課後日本語を習いに来ていた。みんな努力家だなぁ。

ジョージア語はほとんどわからない私でも、「小さい『つ』」のことを「პატარა(patara = small)『つ』」と呼んでいたり、清音と濁音の対を勉強したりしているのはわかった。そしてその中で、面白い発見もあった。

「は」の濁音が「ば」だというのを、小さい頃からそういうものだと教えられてきた私は疑いもなく信じていた。しかし、ある生徒が「『は』の濁音は?」と聞かれて「あ゛」と答えたのを聞いてハッとさせられた。たしかに「は」(ha)は声帯を震わせて発音しても「ば」(ba)にはならない。日本語の発音表は単純なシステムだと思っていたけれど、変なところに落とし穴を見つけてしまった。

また日本語センターでは素敵な出会いもあった。センターの先生やスタッフの人たちは、のこのことやってきた私にも気さくに接してくれた。私の下手なジョージア語にも笑顔で「上手ですよ〜」と励ましてくれたり、受け付けのリジーさんは快くカメラ初心者の私の被写体になってくれたり(暗すぎてきちんと写らなかったけれど…。リジーさんごめんなさい。)。

日本出身ジョージア在住のゆうこさんも、センターで知り合った人の一人だ。コロナ禍でも入国しやすいジョージアへ、お子さんと一緒に一年ほど前に移住したのだそう。そんな彼女の話からは、穏やかで優しい雰囲気とは裏腹に、行動力溢れる人柄が感じられた。

  • 連絡用地下通路。横断歩道はなく、この地下通路を通って反対側へ渡る

ゆうこさんに刺激を受けた私は、翌日ショタ・ルスタヴェリ通り界隈を一人で歩き回ってみることにした。

時間が限られていたため中に入ることはできなかったものの、国立博物館や教会、カフェ、素敵な裏道など、いつかまた来たらぜひ訪れたい場所にたくさん出会うことができた。

▶︎ゆうこさんの海外移住生活についてはこちら!(note:ゆうこ@親子海外教育移住)

ショタ・ルスタヴェリ通り付近の食事処

クリケズ・ヒンカリ(Klike’s Khinkali)

2022.9.21 Klike’s Khinkali 撮影:小林かすみ

一見するとバーのようにも見える、ネオンに照らされてイケイケ感を醸し出すお店。

2022.9.21 Klike’s Khinkali 撮影:小林かすみ

狭い入り口を通って階段を少し降りると、そこにはイケイケな感じにヒンカリの食べ方を教えてくれる3コマ漫画が描かれている。

2022.9.21 Klike’s Khinkali 撮影:小林かすみ

名前の通り、お店の看板メニューはヒンカリ。オーソドックスなお肉と香草のタネ以外にも、ポテト、ポテト&チーズ、きのこ、ベジタリアン・メニュー、そしてお店オリジナルの100%お肉のタネもある。写真奥はポテト&チーズ、手前がお店オリジナルの100%お肉のヒンカリ。

所在地:Shio chitadze, 1, Tbilisi 0108, ジョージア

トビリシの都市機能が集まるダヴィット・アグマシェネベリ通り

スーパーにドラッグストア、洋服屋さん、銀行、レストランなどが集結している。トビリシっ子の生活に必要なものは大体ここで揃いそうな雰囲気で、日本の副都心と近しいものを感じた。

2022.9.12 撮影:小林かすみ

しかしここはトビリシ。日本の副都心とは決定的に異なるのが景観だ。石造りの重厚な建物や、なんの施設かはわからないけれど立派で美しい建物など、歩いているだけでウキウキしてしまう。ということで私の中では、アグマシェネベリ通りは「綺麗な池袋」ということになっている。

ちょっとひとこと

目線の高さより上は美しいけれど、足元は要注意。歩道にはしばしば、野良犬の落し物が転がっている。

ダヴィット・アグマシェネベリ通りの食事処

ここではトビリシっ子のジョージ・ママおすすめのレストランをご紹介。どちらのお店も雰囲気、味ともにとても良かった。この経験から私は、ジョージ・ママは実はグルメな人なのではないかと思っている。

シェモイヘデ・マルジャニシュヴィルゼ(შემოიხედე მარჯანიშვილზე Shemoikhede Marjanishvilze)

アグマシェネベリ通りを少し外れたところにあるレストラン。大きな扉をくぐると中はとても広い。一人の客から家族や友人連れの大人数の客まで様々な人が食事をしにやってくる。レンガ造りの店内は街灯を模した照明に照らされ、音楽が少し大きすぎるくらいの音量で流れ、まるでお店の中ではなく街の中にいるようだった。

2022.9.12 撮影:小林かすみ

私はきのこのクリームスープと、ナスときのこのグリル焼きをいただいた。スープは濃厚で、クルトンとの相性がバッチリ。ナスの料理にはきのこ以外にもニンニクやパプリカなどの野菜が入っており、ボリューム満点で美味しかった。

所在地:5 Kote Marjanishvili St, Tbilisi, ジョージア 

アモ・ラメ・バニ(ამო რამე • ბანი – Amo Rame • Bani)

席は店内か中庭かを選ぶことができる。私たちは中庭を選んだ。平日にも関わらず、他にも多くのお客さんが外での食事を楽しんでいた。庭の片隅にはハンモックもあり小洒落た雰囲気だ。

ここではハチャプリに似た料理で中にチーズとほうれん草、ビーツが入っている円盤型のパンと、ヒンカリ、ナスとトマトを胡桃で和えたサラダ、そしてきのこのクリームスープを注文した。どれも主張は強すぎず、しかし素材の味はちゃんと楽しめる味付けで美味しかった。

所在地:68 Davit Aghmashenebeli Ave, Tbilisi 0102, ジョージア

ジョージアの交通事情

ジョージアが旅先としてとても優れている点の一つに、移動のしやすさがある。バスや鉄道、タクシーでの移動ができて、なおかつ日本と比べると格段に安いため、行きたいところに気軽に行けるのが嬉しい。

バス

市営バスと民間の運行するバスの2種類がある。

2022.9.20 撮影:小林かすみ

市営バスは日本のバスと同じくらいの広さ。各駅に停まるので、日本のバスのように押しボタンで知らせる必要はない。また車両によっては電子モニターに停車駅名と地図が表示され、現在地がわかるようになっているものもあってこれまたかなり便利。

乗車時に、交通系ICカードまたはタッチ決済式のクレジットカードを専用の機械にかざして運賃を支払う。運賃は距離に関係なく定額で、トビリシでは1ラリ、バトゥミでは驚愕の0.3ラリ(15円 2022年9月現在)。しかも一度乗った後、1時間半以内なら2回目の乗車は無料という、日本では考えられないような超優良システムまである。

ICカードは地下鉄の駅の有人窓口で購入できる(現金のみ)。カード本体の料金2ラリと、初回のチャージで8ラリを支払った。

『マイ・ハッピー・ファミリー』より

一方、民営バスはかなりローカルな代物。目印となるのは、マイクロバスのフロントに置かれた番号札。バス停は市営バスと共有しているので、そこの電光掲示板に掲げられた時刻表でバスの番号と行き先を確認する。バスが近づいてきたら手を挙げて合図し、停まってもらう。

バスが停まったら自分でドアを開け、自分で閉める。市営バスとは違って停車場所を教えてくれるものはないので、自分で窓の外の景色を確認し、停まってほしいときに運転手に告げる。この辺はもはやジモピーにしか成せぬ技だと思った。

ちなみにこのマイクロバスの方は、かつてはバス停のない場所でも停まってくれたそうだ。しかしここ数年(正確な年は不明)でバス停にしか停まらないというように変わってしまったらしい。バスだからそれが普通ではあるのだけれども、なんだか残念。

電車
2022.9.22 撮影:小林かすみ

トビリシ市内をはしる地下鉄は2路線あり、バスと同じくこちらもどこまで行っても超優良価格の1ラリ。ソ連時代に作られたという地下の駅はとても深く、そして駅まで一直線に連れて行ってくれるエスカレーターの速度が速い。ジョージいわく、「ジョージアではエスカレーターは右側に立つ『ことになってる』」。

2022.9.22 地下鉄ホーム 撮影:小林かすみ

駅構内はいたってシンプル。エスカレーターを降りた先にガランとしたスペースがあり、左右を仕切る壁を抜けた先にトンネルのようなプラットフォームがある。時刻表はなく、電光掲示板の赤色の文字が現在の時間を、緑色の文字が電車の到着までの時間を教えてくれる。

電車はアメリカ製らしいが、内部は日本と同じく側面に座席が並んだタイプ。走行中は「キー」という甲高くて大きな音がする。話をしようにも大声を出さないと会話が成立しないので、話している人たちは強者だと思った。

タクシー

ジョージアでは車体にTAXIというサインを乗せて町中を走っているタクシーと、「Bolt」というアプリによる配車サービスの2種類がある。トビリシ市内の場合、日本円にして2、300円から乗れるので、20代の若者でも気軽に利用していた。

一方、西のビーチ・エリア、バトゥミでは、中心駅から市内に出るタクシーの運転手たちが口を揃えて15ラリ(750円)を提示するなど、ちょっとぼったくり感があった。実際にはタクシーでも5〜6ラリ(250〜300円)で行けてしまう距離なのに。

またあるときは、バスなら0.3ラリで行けるところ、タクシー運転手のおじさんに「10ラリでどうだ」と自信満々に話しかけられた。おじさん、交渉することを楽しんでいたんじゃないかな、と今になって思う。

おわりに

今回も最後までお付き合いくださりありがとうございました。

「何がいい」とひとことで表すのは難しいし、ひとことにまとめてしまうと今度は何か他のものを取りこぼしてしまうような気がして、あれこれ悩みながら書きました。

でも裏返せば、それだけ多くの良い経験ができた、素敵な旅だったと言えると思います。それも一人では絶対に味わえなかったような時間を、ジョージをはじめ多くの人のおかげで過ごすことができました。この旅に関わってくれた人、一人ひとりに心から感謝しています。

読んでくださった皆様には、テレビやガイドブックで見聞きするのとはまた少し違う、よりリアルな体験談兼紹介記事として受け取っていただけたら嬉しいです。

次回(今度こそ最終回)カヘティ、バトゥミのいい所&美味しいもの紹介もお楽しみに!

(文・小林かすみ)

About Kobayashi Kasumi 29 Articles
長期休暇に入ると海外行きたい欲求が高まる日本語専攻4年。密かに2022年度のWonderful Wander編集長を務めています。好きな本は片桐はいり著『グアテマラの弟』。