福岡1人旅第1弾 〜金印の発見された島・志賀島へ〜

8月中旬のある日

9月のバイトのシフト希望の提出期限締め切り数時間前。学生として過ごせる夏休みが片手で数えられる程しか残っていないのにも関わらず、思い返してみればバイトばかりの夏休みを送っていた。

そこで思い立って1人旅に出ることにした。1週間ほど休みの希望を入れ、飛行機のチケットのサイトを開く。色々な行き先があったが、免許がなくても楽しめる、そして関東から遠い場所。他にも様々な条件を満たした九州(福岡空港)行きのチケットを取ることに決めた。

思わぬトラブル

綿密に計画を立て、待ちに待った出発前々日。台風上陸の予報のニュースを見ながら飛行機を心配していたら、とてつもない腹痛に襲われた。その数時間後に発熱。一瞬現在流行しているコロナウイルスが頭をよぎる。旅行に行くために外出は控え、体調にも気を使っていたのに・・・。急いで病院に行き、検査の結果は陰性。コロナではなく急性胃腸炎だった。

熱にうなされながら良くなるという期待を込めて飛行機の往路のチケットを先延ばしに変更。

数日後、そのフライトに間に合うように体調は無事に回復。福岡に飛ぶことができた。

当初は1週間を使って九州北部を回る予定だった。大分での温泉巡り、地獄めぐり、熊本の阿蘇山、草千里の乗馬などなど、、、多くの予定がキャンセルになってしまった。しかし旅行中に発症しなかったことが不幸中の幸い。この計画はまたいつかリベンジしたいと思う。

県外出身者最初の関門「バスに乗る」

まずは屋根のない観光バスに乗って福岡の市街地を観光。9月とはいえまだまだ厳しい日差しだったが、窓や空から吹き込む風は人工的なエアコンの風よりも心地良くとても涼しい。1時間ほどかけて福岡の観光地を巡った。

バスの2階席からの景色。屋根がないため街路樹や標識が近い。
福岡は街中に空港があり、市街地でも高層ビルがないため空が広かった。

その後、私はバスを使って志賀島へ行くことに決めた。日本史の教科書でお馴染みの「漢委奴国王」の金印が発見された場所だ。島という名前でありながらバスで行くことができる。

免許を持っていないため、車なしでもバスで簡単に移動ができるということが福岡行きの決め手の1つだった。しかし福岡は日本でもトップレベルに多くのバスが走っている。同じ名前のバス停がいくつもあり、1つのバス停に止まるバスの行き先も様々。電車とは違って必ずしも時間通りにバス停にバスが来るわけではない。東京では電車での移動がもっぱらの私にとってバス停だらけの福岡市街は迷路のような場所だった。初めての土地で方向感覚もほぼ皆無な私にとってバスに乗ることは至難の業である。

ここで少しお役立ち情報・・・
 この福岡滞在中バスに乗ることが多く、何度も迷って福岡の方々にお世話になった。そんな中ある女性が教えてくれた、とても有能で福岡でバスを乗るには欠かせないアプリがあったため紹介しようと思う。
 都内で電車に乗る際に私がいつもお世話になっているYahooの電車検索のアプリではバスの詳細までは教えてくれない・・・。しかしこの「にしてつバスナビ」を使えば、乗りたいバスが今どこにいるのか、何分遅れているのか、など必要な情報を全て教えてくれる。福岡に行く予定がある方は是非。
 

志賀島上陸

道路の反対側でバスに先に行かれてしまう、バスが来たものの自分の乗るバスだと気づかずに行ってしまってから気が付くといった数々のミスを犯しながらもようやく志賀島行きのバスに乗車。1時間ほどバスに揺られて志賀島に到着した。

志賀島に入ってすぐ右に真っ直ぐに進んでいくと森の入り口のような場所に階段が見えてくる。志賀海神社への入り口だ。

人がほとんどおらず風が強かったこともあり、風の音と海の匂いに囲まれてとても神聖な気持ちがした。右手の生垣の奥には海が見える。

しばらく歩いて鳥居をくぐると、丁度雲から太陽が顔を出した。まるで私の参拝が歓迎されているかのように思えた。

この神社ではお清めとして志賀島の砂が使われている。参拝前にはこの砂を体の左、右、左とかける。入り口付近には小さな紙袋も用意されており、お土産にすることもできる。

参拝後にはおみくじをひいたり、周辺を散策して志賀海神社を存分に満喫した。

新たな出会いと金印公園

志賀海神社を歩いている途中、ある親子と出会った。福岡県内に在住で志賀海神社に参拝しに来ていたようだ。私の出身地、1人で来ていることなどを話すと志賀島ドライブのお誘いが。バスを逃して到着時刻が予定よりも大幅に遅れていたため、予定していたサイクリングを諦めていた私にとってはとても嬉しいお誘いだった。お言葉に甘えて志賀島1 周のドライブに連れて行ってもらった。

金印公園前の「漢委奴國王金印発光之処」石碑

まず最初に立ち寄ったのは金印公園。かの有名な金印の発掘地とされている場所だ。

しばらく階段を登っていくと見晴らしの良い展望広場に着く。

展望広場には金印のレプリカや金印のオブジェがある。目の前に広がるのは博多湾だ。

テストのために覚えるものだった歴史的事実が実際に目の前に現れ、少し不思議な気持ちになった。

その後志賀島の海辺で綺麗な砂浜を堪能し、志賀島1週ドライブを終えた。お世話になった親子と別れ、再びバスで宿泊先に向かう。

終わりに

1人旅には自由気ままに旅をすることができるというメリットがある。しかし私にとっての1人旅の醍醐味は偶然の出会い、そしてそこから生まれる新たな旅である。

まだまだ続く福岡1人旅。次回も新たな出会いと新たな旅が生まれる。

(文・堀越)

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一日中家でのんびり過ごすことが大好きなインドア派でありつつ、旅行も大好きです。暖かくて天気の良い国が好き。