どうなる!?気になる今年の留学事情 〜留学時期編〜

Trinity College Dublin(2015 年撮影)

このサイトを見てくださっている方々の中には、外大を目指している人や、留学を考えている人もいるのではないだろうか。
今回はそんな人たちに向けて、今まさしく留学を控えた筆者が、コロナウイルスで大揺れの留学事情2020年度版をお伝えしようと思う。もちろん留学は特に考えていない人でも、最新のインターナショナルな大学事情にちょっと詳しくなるつもりで読んでいただけると嬉しい。

この記事は留学体験記であり、大学の公式見解を述べるものではありません。
記事の正確性には万全を期しておりますが、執筆から時間が経つなどして、掲載時には情報が更新されている場合がございます。また体験した内容をそのままお伝えするために、あえて当時の情報をそのまま掲載する場合がございます。
最新の情報につきましては、必ずご自身で、各大学のホームページからご確認ください。(記事末にリンク集をご用意いたしましたので、是非ご活用ください。)

 

SOAS University of Londonの場合

別の記事でもお話しする予定だが、筆者は今年(2020年)の夏から「SOAS(ソアス)」というロンドンにある大学へ一年間留学する予定だった。しかしコロナウイルスの世界的流行により、例年通りの留学は行えなくなってしまった。

そこで今年の5月末に、3つの選択肢が示された。以下はその要約である。(5月29日現在)
※は筆者が独自に加筆したもの

a)秋学期から、日本で派遣先大学のオンライン授業を受ける
※外大の秋学期は10月から。派遣先大学のTerm1は9月末から。
※日本にいる間は外大の授業も並行して履修可能。

b)秋学期から英国へ渡航し、現地(ロンドン)でオンライン授業を受ける。
※ただし渡航が許されるのは、外務省の発表する感染症危険情報がレベル1まで下がった場合のみ。
※班行動制の導入を検討中とのことなので、現地での人との接触は制限される模様。

c)派遣先大学の授業の受講開始そのものを1月(Term2)にずらして、1月から留学を開始する。
※外大の秋学期の期末が1月下旬で渡航予定時期と重なってしまうため、期末試験・レポート等をどうするのか担当の先生に相談する必要がある。
※留学期間が一年ではなく半年となってしまう。

また入学に必要とされる英語のスコア(English Language Requirements)も若干引き下げられた。(6月20日現在)

“Please note that due to the outbreak of COVID-19, some of these scores have changed for September 2020 applications only. These temporary scores can be found in brackets alongside the regular scores below:”
コロナウイルスの流行に伴い、2020年9月の留学開始予定者のみを対象に、英語スコアの要件の一部が変更されました。これら臨時のスコアにつきましては、以下に示す通常のスコア横の括弧内をご確認ください

多くの派遣留学生はこのin-sessionalか4 week pre-sessionalに該当する

(Information for Prospective Students: Study Abroad: Entry Requirements, SOAS University of London., Retrieved June 20, 2020, from https://www.soas.ac.uk/studyabroad/requirements/#EnglishLanguagerequirements)

上記に加えて「留学を辞退する」「今年度の留学は辞退して、来年度の派遣留学の学内選考に再度応募する」という選択肢もある。そして最終的にはこれらを踏まえた上で、自身の希望を固めなければならない。回答期限は7月中旬。他の手続きと同様、回答は外大の留学生課を通してSOASに送る。

ちなみにイギリスにある別の協定校、University of Essexでも、似たような対応がとられているようだ。
同大学に派遣留学予定である筆者の友人談では、新年度(Academic Year)の開始は10月からで、オンラインと対面形式の授業を組み合わせて行うらしい。したがって新学期が始まるまでに渡英できない留学生は、オンライン授業のみを受けることも可能と伝えられているそうだ。

 

楽しみにしていた留学が…    あなたならどうする?

Gino CrescoliによるPixabayからの画像

さて、この一連の変更を「楽しみにしていた留学が台無し」と捉えるか、「少なくとも選択肢があってよかった」と捉えるかは人それぞれだろう。でもできることなら、前向きに今ある可能性に目を向けていたいものだ。

私がこの知らせを聞いたときは、どちらかというと後者に近かった。いずれにしても、渡英するまでの時間は準備期間が増えたと考えることにしたのだ

しかし現地での滞在期間が短くなるという点は、さすがにショックだった。留学先の大学で授業を受けるのと同じくらい、ロンドンでの生活を楽しみにしていたからだ。しかし、それは悩んだところで解決されない。だからこの変則的な事態をチャンスと捉えて、日本にいる時間が増えたからこそできることに挑戦しようと思う。

 

最後に、自身の通う大学のことなので手前味噌かもしれないが、私がこれまでお世話になってきた外大の教授や職員の方々は、皆さんとても親身になって対応してくださった。もちろん人と人とのやり取りなので、すべての学生が一様に満足のいく経験を得られているわけではないかもしれない。しかし今回のコロナ関連の対応を含め、私自身留学の手続き等でこれまで不便や不満を感じたことは特にないので、総じて学生へのサポートは厚い方だと言えるのではないだろうか。

こうして日頃から家族や友人をはじめ、大学の方々など多くの人に支えられていることを忘れずに、今実現可能な自分の留学の形を見つけていきたい。

 

何はともあれ、ウィズ・コロナが達成された暁には、この記事はちょっとしたタイムカプセルのようなものになっているだろう。そのときがやってくるのを楽しみに、今は留学前のワクワク感を存分に堪能しようと思う。
どうか皆さんも体調管理には気をつけて、現地からのレポートを楽しみに待っていてほしい。

(文・小林かすみ)

本記事で紹介した留学に関するお役立ちリンク集

SOAS University of London公式HP:https://www.soas.ac.uk
University of Essex公式HP:https://www.essex.ac.uk
外務省海外安全HP:https://www.anzen.mofa.go.jp

東京外国語大学の留学制度に関するお役立ちリンク集

留学案内2019(東京外国語大学HP>大学案内>大学紹介>広報冊子>バックナンバー)
留学制度(東京外国語大学HP>受験生の方へ>サポート制度>留学制度)
留学案内(東京外国語大学HP>在学生の方へ>留学案内)

About Kobayashi Kasumi 29 Articles
長期休暇に入ると海外行きたい欲求が高まる日本語専攻(2018年度入学)。2019-2022年度編集長。好きな本は片桐はいり著『グアテマラの弟』。