舞台は南ドイツの小さな街、コンスタンツ。ゆったりと湖を眺めながら「ご縁」について考えた2週間。

こんにちは!朝鮮語科1年松井です。

今回は前回(記事はこちら)に続いてドイツ滞在記、後編です。

 

今回はスイスとの国境付近、ボーデン湖のほとりに位置するコンスタンツという街で過ごした2週間のおはなしです。世界史を勉強された方は、「コンスタンツ公会議」を覚えているでしょうか?教会の大分裂の解消を目的として15世紀に開かれたこの公会議はまさにここ、コンスタンツを舞台にしています。またこの街は第二次世界大戦の戦火からも逃れているそう。現地博物館職員の方によると、コンスタンツは中立国であったスイスと隣接しているために、夜に街の明かりを消してスイスに紛れることで敵国の空襲を逃れたんだとか・・・。そのためコンスタンツには昔の建物が昔のまま残っています。

 

そして、このコンスタンツは私をドイツへ誘ってくれた友人Kとそのご家族が住む街。Kはご両親と2人の妹と5人で眺めのいいモダンなフラットで暮らしていました。

(Kの2人の妹が書いてくれていたウェルカムボード)

 

ここでの2週間は前回のミュンヘン同様あまり特別なことはせず、彼女たちの「日常」の中に溶け込ませてもらいました。朝はテーブルにぎっしりと並べられたすこし酸っぱいドイツパンやサラミ、チーズやシリアルなどをそれぞれが好きなように食べます。コンスタンツの朝は湖が近いためかすこし空気が湿っていたのですが、これが嫌なじっとりではなく何とも言えない心地よさで、この空気の中しばしぼーっとするのが大好きでした。

 

そこからは妹たちや近所の子の面倒を見たり、図書館に行ったり、食材の買い出しに行ったりといろいろなことをしましたが、その1つ1つが本当に新鮮でした。小さな子供たちの遊び方も、図書館に並ぶ本も、スーパーに並ぶ食材もすべてが新しい発見であり、新しい出会いです。1つ驚いたのが、オーガニック食品や製品のお手ごろさ。日本ではまだまだ高価でなかなか手が届かないものが多いですが、ドイツではオーガニック食品専用のスーパーもあり、普通の食材とほとんど変わらない値段で手に入ります。そのほかにも、スイスへは自転車で10分ほどで行けるのでKのお友達のお家のティーパーティーに誘っていただいたりもしました。

(おちびちゃんたち。とってもかわいかったです。)

 

あとは私がドイツへ行ったら絶対に体験してみたかったのが、アウトバーン。運よくすこし遠出するときにKのお母さんの運転で体験できたのですが、やはりかなりスリリングでした・・・。時速180キロで走る車の助手席に座るのも私にとってはとてもひやひやでしたが、それよりももっと怖いのはそれを平気で追い抜かしていく大型トラックです。思わず「ヒッ!」と声が出ます。ともあれこれはこれでとても貴重な体験でしたし、楽しかったです。

 

そしてなんといっても最高だったのが昼過ぎから夕暮れ時にかけて、湖のほとりに座って読書をしたり、アイスをたべながらゆったり過ごした時間です。やわらかい水の音を聴きながら、Kと思い出話や学校の話、それぞれの国の文化や社会の話もたくさんしながらいろいろなことを考えることができました。

(どこまでも広がるボーデン湖)

 

そのときのKとの会話で話題になったのは「ご縁」についてでした。考えてみれば、「ドイツ、おいでよ!」と誘ってくれたKとのつながりはものすごく貴重なものだと思うんです。お互いが同じ留学プログラムに応募していなかったら、同じ国・同じ都市に派遣されなかったら、同じホームステイ先じゃなかったら、2年間連絡を取り続けていなかったら、私はこの先ドイツのご家庭でお世話になったり、ドイツの「日常」を経験することは無かったと思います。また、Kとの出会いがなければあたたかいKの家族や友達、前回登場したMさんとの出会いもありませんでした。Kという親友を得たことで、新たな経験をし、新たな人たちと「ご縁」をもつことができました。

 

「旅は一期一会」なんてよく言いますが、旅に限らず私達は日々新たな人に出会います。そのなかには、これからずっと繋がりを持っていくんだろうなと感じる人、少しの間一緒に歩いて離れていく人、道路標識のようにたまに会う人、近くにいると思ったのに実は遠くにいた人、その逆の人、一回きりでもう会わない人、いろんな人がいると思います。私はこの1つ1つの出会いがとても大切なものだと思いますが、私にとってKは、これからもずっと繋がりを大事にしていく人だと思います。

 

みなさんも旅先や日々の生活の中で「この出会いは大事にしたい!」と思ったら、そのご縁をぜひ大切にしてみてください。きっとそのご縁がどんどん広がって新たな経験、新たな出会いをもたらしてくれるのではないかなと思います。

(コンスタンツのメインストリート)

 

以上、私のドイツ滞在記でした!

つたない文章でしたが、前編・後編合わせて読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。