さてみなさん、突然ですが、今年の夏の予定はもう決まりましたか?
長い夏休み、学生のみなさんの中には海外に行こうと考えている方も多いのではないでしょうか。「海外旅行に行ってみたいけれど、何をしたらいいかわからない…」今回はそんな声にお応えして、全く日本から出たことのない方でもスムーズに旅行が楽しめるよう、パスポートの取得などの基本的なハウツーを記していきたいと思います。次回以降では「持っていくべきお金の量」や「空港到着から出国までの流れ」、さらに海外にすこし慣れてきた人や冒険心旺盛な人向けに「はじめての個人手配旅行」などについても書いていく予定です。
外大に入ったからには海外に行ってみたい!という外大生の皆さんにも、少し長めの休みがとれそうだから海外でゆっくりしたい!という社会人の皆さんにも、役立つ内容になっていれば嬉しいです。
1. 海外旅行を「買う」
国内・国外を問わず、旅行には大きく分けて2つの種類があります。
1つは旅行会社などが販売しているパッキングツアーを利用する形。一般に「ツアー」と呼ばれるもので、航空券や滞在するホテルをふくめ旅行中の全日程あらかじめ予定が組まれているものや、ホテルと航空券だけがセットになっていて滞在中は自由に過ごせるもの、両者の組み合わせ型(滞在中の一部に予定が組まれており、あとは自由行動)など様々な形があります。メリットとしては航空券や宿泊先のアレンジなどの面倒なあれこれをする必要がないこと、個人ではなかなか行けないアクセスの悪い観光名所なども効率良く回ることができること。さらに日本語が通じるガイドがついている場合などは慣れない海外での食事や買い物にも心配がいりません。ハプニングなどがあった時も安心です。デメリットとしては滞在中の全日程に予定が組み込まれているツアーの場合は自由度が低いこと、団体行動が苦手な方には少し息苦しいものになること、個人手配よりも割高になることが多いこと、などがあげられます。
もう1つが個人手配で行く形。航空券やホテルはもちろん、滞在中の移動や必要に応じて保険や予防接種なども含め、旅程を考え、それに必要なあらゆることを自分で手配する形です。メリットとしてはなんといっても自由なこと!どこに泊まるか、なにを見るか、いつ移動するかなど、全てを自分の意思で決めることができます。気に入った場所に長く滞在するもよし、路地裏で見つけた魅力的なお店にふらりと入るもよし、帰りたくなければ帰国便の航空券を破り捨ててしまうのもよしです(?)。バックパッカーなどに多いですが、ツアーではほとんどお目にかかることのない格安宿を泊まり歩いて節約することもでき、資金面に不安のある学生にはそれも魅力のひとつです。デメリットはツアーに比べ難易度が高いこと。出国前の準備から滞在中の行動などすべて自分の責任で行わなければならず、現地でのハプニングなどにも(楽しめる人はよいのですが)弱いです。また、ツアーに比べ観光名所をめぐる効率が落ちる場合が多いこともデメリットのひとつです。交通手段や移動時間などの細かなことを自分でしっかりと計画できる場合や現地でガイドを雇う場合は問題ないのですが、短い滞在期間でまわりたいところがいくつもある、という方には不向きな選択かもしれません。
どちらの形にもメリットとデメリットがありますので、自分にあった方を選ぶのが一番です。ですが、はじめて海外にでかける方に個人的におすすめなのは、「ツアー型」または「ツアーと個人手配組み合わせ型」です。全く日本から出たことがない人が完全に個人手配で海外に行くのは少し難易度とリスクが高いかな、と思うので…。「ツアー型」であれば空港への移動からパスポートやビザの取得、滞在中の日程、帰国まであらゆる面で旅行会社のサポートが期待できますし、思わぬハプニングがあっても基本的には安心です。
何度か団体ツアーで海外に行ったことがある方や、はじめての海外でも少しは自分で何をするか決められる日程がほしい、という方には「ツアーと個人手配の組み合わせ型」がおすすめです。ホテルや航空券の手配など面倒なことをする必要がなく、かつ自分の興味の向くままに自由に行動することができます。
どちらも旅行会社の店舗やホームページなどにアクセスすれば簡単に購入することができます。値段も旅程も行き先も豊富な種類が用意されているため、自分がやりたいことに一番あったものを選びましょう。大学生協などでも割安で販売していることが多いので、学生の皆さんはそちらも要チェックです。
2. パスポートを取得する
行き先と日程が決まったら、やるべきことがいくつかあります。欠かせないのが「パスポートの取得」です。各都道府県にある「パスポート申請窓口」で取得できますが、申請から取得までは通常土日祝日を除いて1週間程度かかるため余裕を持って申請することが大切です。必要な書類は「一般旅券発給申請書(インターネット上でダウンロード可)」「戸籍謄本または戸籍抄本」「証明写真」など複数ありますので、詳細は必ず外務省の公式ホームページを参照してください。
3. 渡航の準備をする
次に必要なのが「保険の加入」。海外での病気や怪我、思わぬハプニングがあったときに威力を発揮するのが保険です。海外での治療費は驚くほど高額になることも少なくありません。通常ツアーを申し込んだ段階で簡単に加入できるので、基本的には入っておくことをおすすめします。
続いて「滞在先の情報収集」。国によってはビザ(外国人に滞在を許可する書類。国によって条件が異なり、パスポートなどとは別に当該国に直接申請する必要がある)が必要な場合もありますし、予防接種を打つ必要があるかどうか、立ち入るべきではない危険なエリアがあるかどうかなども調べる必要があります。これらの情報収集は必ず外務省のホームページを参照しましょう。そのほか、現地での物価や気温、交通手段などを知りたい場合は旅行ガイドブックや個人のホームページ・ブログなどが役に立ちます。ガイドブックでは現地の通貨や言語、電圧、コンセントプラグの形、慣習などの情報を効率的に入手できます。インターネットで検索すればその国に行ったひと、住んでいるひとの発信しているリアルタイムな情報に簡単にアクセスできますし、おいしいレストランやガイドブックに載っていない観光地の情報なども書いてくれている場合があります。ビザの取得についても、「国名 ビザ取得 方法」などで検索をかければ懇切丁寧に説明してくれているサイトが複数見つかるはずです。
すべて済んだらいよいよ荷物の準備にかかります。絶対に忘れてはいけないのは「航空券または予約書類」、「パスポート」、「(必要な場合は)ビザ」、「お金」の4点です。正直これさえあればあとはどうにでもなります(?)。これらはすぐに取り出せるよう、スーツケースやバックパックとは別に手持ちかばんなどに入れておきましょう。空港に着いてすぐ必要になります。お金については次回以降で詳しく書きますが、現金とクレジットカードを両方持っておくとよいでしょう。
そのほか、滞在先について収集した情報をフル活用して、現地の気温にあった服やいつも服用している薬、カメラや充電器、必要な場合は変圧器などを詰め込みましょう。お土産を買う場合はスーツケース・バックパックにすこし余裕をもっておくことを忘れずに。
さて、あまりにも長くなりそうなので今回はこのあたりで終えたいと思います。説明しきれなかった「持っていくべきお金の量」や「あると便利な持ち物」、「空港到着から出国までの流れ」などは次回以降で書いていけたらと思います。さらにツアーでは物足りない人、海外にすこし慣れてきた人や冒険心旺盛な人向けに「はじめての個人手配旅行」という記事も掲載予定です。
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カンボジアの田舎で「ここからは別のバスだから!待ってれば別のが来るから!」と車から降ろされ途方に暮れるの図。個人手配だとこのような楽しい(?)ハプニングが頻繁にあります。
(文・三橋 咲)