第2弾ではマラケシュの見どころや、日帰りで行くことのできる観光スポットを紹介しました。まだ読んでいない方はこちらからぜひご覧下さい。
さて、第3弾では大西洋岸に位置する港町、エッサウィラでの旅の様子を紹介します。
ある日、友人がインスタグラムに投稿していた写真を見て一目惚れしたエッサウィラ。赤いマラケシュの街とは打って変わって、白い壁に青い海、空いっぱいのカモメたち。
すぐに私のバケットリストに追加され、2度目のモロッコ訪問で遂に訪れることができました。ゲームオブスローンズのロケ地にもなっているんだとか。
マラケシュから車でおよそ3時間程度。途中で軽食休憩とアルガンオイル工場訪問を挟んで遂に到着です。
アルガンオイル工場
前回の記事で紹介した場所も含め、ツアーを申し込むと多くの場合アルガンオイル工場訪問が道中に含まれています。観光客を連れて行き、彼らが商品を購入するとツアー会社にも一定のお金が入るようなビジネスモデルになっていると思われます。アルガンオイルの精製には多くの女性たちが携わっており、女性の自立支援の一環にもなっています。
ちなみに私は今回で4、5 回目のアルガンオイル工場見学でした。(笑)
アルガンオイルとはモロッコのみに生息するアルガンツリーの種子から採れるオイルです。加工方法によって食用、そしてコスメとしても用いられます。食用オイルは自然な甘みのピーナッツバターのような味で美味しかったです。
まずはアルガンの実を採集し、天日で乾燥させます。乾燥した実を石で叩いて中の種子を取り出して粉砕。そして粉砕された種子を石臼に入れてペースト状にし、滑らかにします。ちなみに食用オイルにする場合は石臼に入れる前に種子をローストするそうです。
港町に到着
比較的内陸部出身とは言え島国「日本」出身の私。
ドイツで留学生活を始めて、電車の窓から見えるのは見渡す限りの草原に山、スーパーに行っても魚介類はなかなか手が届かないお値段…。日本にいた時も決して日常的に海を見る機会が多かったわけではないですが、ドイツに来てから海がどんどん遠い存在になっていました。
エッサウィラに到着すると海の匂い、細波の音、港町の穏やかで、そして市場の賑やかな雰囲気に包まれて、島国出身の血が騒ぎ出しました。
海辺の駐車場から数分歩いて門を抜けると市場が広がっています。屋根で覆われたマラケシュのスークと比較すると青い空が見えてとても開放的でした。物価も気持ちばかりエッサウェラの方が安いようです。
猫ちゃん天国
綺麗な目でこちらを見つめるネコ。
昼寝ねこ。
つまみ食い猫。
町の至る所で猫がくつろいでいます。
イスラム教の預言者ムハンマドが猫好きだったこともあり、今でも猫は敬愛の対象であるそう。だからこそイスラム教徒の多いモロッコでは沢山の猫を見ることができます。
エッサウィラは他のモロッコの街と比べても格段に猫が多かったような印象が残っています。
実はこの写真には5匹の猫がいます。見つけられますか?
猫不足のあなた!猫好きのあなた!ぜひエッサウィラへ!
私はアレルギーなので触れられません・・・涙
活気の溢れる魚市場
なんと言っても港町で外せないのが魚市場。マーケットの中、そして海辺の2箇所に魚市場がありました。
マーケットの中の市場はこんな感じ。
市場の近くに沢山のレストランがあり、ここで買った魚を持って行くと調理してくれます。
海辺の魚市場も多くの人、そして多くの猫とカモメで賑わっていました。
市場で魚を試してみたい気持ちもありましたが、食あたりが怖かったので今回は見学のみ。
そして代わりに屋台でチキン、卵、そしてチーズを挟んだパニーニを注文。焼き上がるまでお店の人とおしゃべりをしていたら、ポテトとファラーフェルをサービスしてくれました!
海辺とカモメ
市場を抜けて少し道を登ると見晴らしの良い展望台に出ます。
その日は遠足があったのか沢山の子供達で賑わっていました。
今回は時間の都合上訪れませんでしたが、駐車場から市場と反対方向に進むとビーチが広がっていて、そちらもかなり賑わっているようです。
そして見上げると集合体恐怖症の私にとっては目を背けたくなるほどのカモメがいました。
小道特集
市場の大通りは活気に溢れていますが、1本道を外れるだけで一気に静寂に包まれます。
どの道も趣があって魅力的です。
このまま行ったら引き返せなくなるかも・・・という不安を抱えつつも進んでいくと実は大通りに繋がっていたり、行き止まりだったり。
観光地のメインスポットと比べると壮大さでは負けますが、味わい深い小道の探索はなかなか癖になります。
ベルベルのパワー?!
そんな小道を歩いていたら一軒のお店からおじいさんが手を振ってきました。
サハラの遊牧民ベルベルのグッズを扱った、人が3人ギリギリ入れる程度のサイズ感のお店。あまりに小さなお店で人通りも少なかったので少し躊躇いましたが、積極的な勧誘を断りきれず入店。(笑)
小さなお店の中は馴染みのないベルベルのグッズで溢れていて「秘密のギャラリー」という感じでした。しかしどのグッズも学生にはなかなか厳しい値段で、そのことを伝えると何かを探し出すおじいさん。そして棚から何かを掴んで私の手を握りました。
「ベルベルのパワーをあげるよ。」
おじいさんはこれがベルベルのコンパスだと説明を始めました。この穴の空いた部分に北極星が見えるように空に掲げると方角がわかるそう・・・
正直に言ってかなり怖くて、退店後に町のどこかにを置いていこうかとまで思ったのですが、砂漠の民ベルベル人を導くコンパス。なんだか良い方へ導いてくれそうな気がして手元に残しておくことにしました。
後日談
この記事を書く際にこれが何なのか気になって調べてみたところ、これはコンパスではない模様。(笑)
ベルベル系の遊牧民トゥアレグ族というサハラ砂漠の遊牧民のシルバーアクセサリーである可能性が高いとのこと。元々は父から息子に、旅の安全や幸福を祈るために送られるもので、現在はアクセサリーとしても使われているそうです。
コンパスではないにしても素敵な意味のこもったプレゼント、大切にしようと思います。
終わりに
滞在時間は5時間ほどでしたがエッサウィラを十分に満喫できたと思います。日帰りで行くことができるので、マラケシュの喧騒から逃れてゆったりしたいと思ったら是非訪れてみてください。
何を書こうかなとボタンを押していたら動画の挿入ボタンを発見!今回の記事で初めて取り入れてみました。制限の関係で長尺での動画は載せられませんでしたが少しでも臨場感が伝われば嬉しいです。
次回はタンジェ、そしてシェフシャウエンに向かいます。お楽しみに!
(文・堀越)