高尾山のふもとでプチ・アイルランド旅行〜コークのこと・お酒のこと〜

コークのこと

・日本からコークまで

コークはアイルランド南部に位置する都市であり、”City of Cork”と呼ばれている。ワンダーの部員2名が2022年夏のショートビジット・プログラムで滞在していた都市でもある。日本からコークへのフライト時間(トランジット除く)は13時間程度であるが、格安航空券を利用する場合、高確率で長時間トランジットのあるルートで渡航する羽目になる。ちなみに、部員2名はアブダビとロンドンでの乗り継ぎを経て、成田空港から30時間以上かけてコーク空港へ渡った。また、日本からアイルランドへは直行便がないため、最短で渡航しようとしてもロンドンで必ずトランジットすることになる。ロンドンからは、大体30-40分程度のフライトでアイルランドのどの主要都市にも行くことができる。

・コークの街並み&見どころ

左の画像は、コークの中心部である”City Centre”の道の様子を撮影したものである。壁の色がカラフルな建物がずらりと並んでおり、その中にパブやレストラン、服屋などの様々な店が入っている。平日・休日を問わず買い物や遊びに来る若者たちで賑わっている。この”City Centre”にはコーク最大のマーケットである”English Market”があり、そこでは世界中の様々な食材を購入することができる。奥田さんによると、高いが味噌や豆腐までも購入することができるそうだ。

ここで、コークの日本食事情について触れようと思う。私たちがコークを訪れた際には3軒くらいの日本食レストランがあったが、奥田さんがコークに滞在されていた頃には1軒しかなかったそうだ。それでもなお、『当時から「日本食はヘルシー」と考える現地の方々はいて、好きな人は好きだった』と奥田さん。しかし価格に関しては、例えば日本の定食屋で千円払えば食べられるようなものが、現地では六千円程度することもあったそう。

右の写真は、部員2名がホームステイをしていたBallincolligという町にある”Regional Park”で撮影したものである。公園内には”River Lee”という大きな川が流れており、写真奥には牧場のある丘を見てとることができる。さらに色とりどりの花が咲いており、行くと穏やかな気持ちになれる場所である。それから奥田さんによるとアイルランドではバードウォッチングが盛んであり、早起きして外に出るとジョギングしている人やバードウォッチングしている人がたくさんいるそうだ。アイルランドの天候に関しては、写真のような曇天がデフォルトである。

こちらは、Ballincolligのホームステイ先付近で偶然見かけた猫である。アイルランドではたくさんの猫と触れ合うことができたことも、留学の思い出の一つとして挙げられる。奥田さん曰く、アイルランドには海沿いの街が多く、市場も多い。そこへ魚や他の食べ物を目当てに猫が集まってくるそうだ。

お酒のこと

・アイルランドのビールといえば…?

アイルランドのビールといえば、やはりギネスビールである。鮮度的に、日本で飲むよりも現地で飲む方が断然美味しいそうだ。ギネスビールがスタンダードな黒ビールであり、これはエールビールの派生として誕生した。奥田さんによると、エールビールはビール製造の過程で生じる上澄みの部分を活用して作るものだそう。上澄み部分は元々廃棄してしまうようなものだったために、安価だった。そして、それをできるだけ美味しく飲むために工夫がなされ、生まれたのが黒ビールやバス・ペールエールなどのエールビールだそうだ。一般的な日本のビールと比較すると、こういったビールは香りが良いそう。この違いを生み出す要因の一つが、ビールの温度である。奥田さん曰く、現地の人々は常温でビールを飲むそうだ。ただし、常温と言ってもアイルランドは寒いため、常温自体が低温である。ビールの温度をキンキンまで冷やしてしまうと、人間は香りを感じ取ることができなくなる。しかし普通の冷たいビールよりも少しだけ温度の高い常温のビールは、香りの成分を多く含んでいるため、ふくよかなフレーバーを感じることができるそうだ。ちなみに、「ビール好きの方はぜひダブリンにあるギネスタワーを訪れてみてほしい」と奥田さんからお話があった。こちらはギネスの本社であり、タワーの展望台でギネスビールを飲むことができるそうだ。ここで飲めるギネスビールからはアルコール感があまり感じられず、上等な麦茶のような味わいと、とても甘い麦芽の香りを楽しむことができるそう。

・Ed Sheeranの曲のMVに登場するパブ

右の写真を見てピンと来た方はいらっしゃるだろうか。こちらは、アイルランド西部に位置するGalwayという街のとあるパブを撮影したものである。実は、このパブはEd Sheeranの”Galway Girl”という曲のMVの冒頭に登場している。写真に写されている場所のさらに奥には扉があり、そこを出ると、客が飲食をするためのテーブルが設置された開けたスペースに出ることができる。秘密基地のような雰囲気がある、なんとも不思議な空間だった。

・Irish Coffee

Irish Coffeeとは、コーヒー、ウイスキー、生クリームで構成されたホットカクテルのことである。全体の1/5-1/6程度をウイスキーが占めているため、アルコール度数は高めだ。こちらのお酒はアイルランドで伝統的に飲まれているものではなく、カクテルコンテストで作られた比較的新しいものだそうだ。奥田さんによると、アイルランド人はあまりウイスキーを飲まないそう。その理由として、「ウイスキーを飲む人は成功者である」という考え方があることや、皆が手を出せるほど安いものではない、といったことが挙げられると説明してくださった。ウイスキーの国内消費量はそれほど多くなく、国内で生産されるものの殆どは輸出用であるそうだ。