コロナ禍でフランスのグルノーブルに留学し、先月なんとか無事に日本に帰ってきた。
留学中に起きたハプニングや楽しかったことを記事にしてみたい!と思ったけど、そもそも私が暮らしていた「グルノーブル」を知らない人が多いのでは…?
そこで今回はフランス生活を振り返りながら、私が過ごしたグルノーブルの街をみなさんにご紹介!
グルノーブルってどんな街?
ー場所
留学前、友達にフランスへ留学すると話した。「へ~!フランスのどこに行くの?」「グルノーブルだよ!」「…どこ?」
グルノーブル(Grenoble)はフランス南東部にある都市。アルプス山脈の麓にあり、スイスやイタリアに近い。
ーアクセス
パリからグルノーブルまで直通のTGV(高速鉄道)で約3時間。
また、リヨンパールデュー駅からTER(急行鉄道)で約1時間半。
ちなみにフランスの電車は頻繁かつ大幅に遅延する。
渡仏初日にパリ→リヨン→グルノーブルと乗り換えをしようとしたら、パリ・リヨン間の電車が大幅に遅延し、あやうくグルノーブル行きの電車に乗り継ぎできなくなるところだった…
そのため、本数は少ないが直通で行くか、時間にゆとりを持った乗り換えがおすすめ!!!
ーグルノーブルの大自然
グルノーブルのイチオシポイント、それはやはり大自然!
この街は、雄大なアルプス山脈や岩山などの自然に囲まれている。
大学やスーパー、さらには家からもアルプス山脈などの山々が眺められるのだ。
街の至るとこらからアルプスを眺められる生活は本当に贅沢。特に夕方になると、白いアルプスが夕日で赤やオレンジ色に染まる。写真では伝えきれないこの美しさ…ぜひ本物を現地で見ていただきたい!
ーグルノーブルの旧市街
次は歴史ある古い街並みが綺麗な旧市街を紹介。
・バスティーユ城塞(Fort de La Bastille)
旧市街のすぐそばにある岩山に築かれたバスティーユ城塞からは、グルノーブルの街とそれを取り囲む山々を眺めることができる。
歩いて登ることもできるが、けっこうハードなので、行きはロープウェイに乗るのがおすすめ。上に登りながら景色を見るのがとても楽しい!(ただ、ロープウェイのドアにちょっと隙間があったりガタガタ揺れたりするのでスリルがある!笑)
帰りは歩いておりたが、登り降り関係なく、この岩山をランニングコースにしている人がたくさんいてびっくり。
・イゼール川(L’Isère)
街にはイゼール川という川が流れている。川沿いにはベンチがあり、ゆっくり過ごしたりピクニックをしたりできる。
夜になると街の光が川に映りこみ、昼間とは違った表情に。
ー美術館/博物館
グルノーブルには美術館と博物館が合わせて10個以上もある。グルノーブル美術館、考古学博物館、自然史博物館など、様々な施設があるが、基本的には館内展示物の撮影OK。
ちなみに私はグルノーブル美術館によく行っていた。
ここには古いものでは13世紀の作品があり、他にもピカソやシャガールなどの有名画家の作品、または現代アートの作品など、幅広い年代とジャンルの作品が所蔵されている。
学生は国立美術館・博物館は常設展だけでなく展覧会も無料で見ることができる。(ありがたい!)休日に友達といろんな美術館・博物館を巡ったのは良い思い出だ。
ーグルノーブルのスポーツ
1968年冬季オリンピックがグルノーブルで開催されるほど、ウィンタースポーツが盛んな街。
グルノーブルにはスキー場がいくつかあり、冬になるとグルノーブルにたくさんのスキー客が訪れる。またグルノーブル大学では、体育の選択授業(有料)でスキーやスノーボード、クロスカントリーなどをすることができる。
オリンピックやフィギュアスケートのグランプリシリーズが行われたスケートリンクがあり、普段は地元の人がスケートを楽しむ場となっている。派手な色のライトにクラブのような音楽がガンガンかかる中でスケートを滑るのは新鮮だった。そして何より氷の上を滑るのが楽しい!
ーグルノーブルの人々
グルノーブルで生活してみて私がまず感じたのは、「優しい人がとても多い」ということ。私はフランス語があまり上手ではないが、みんな優しく話しかけてくれてコミュニケーションを取ってくれたのが印象に残っている。
パン屋さんや郵便局などでお店の人が親切に対応してくれたり、スーパーでどのおかずを買うか迷っていると隣にいたお客さんが「これおいしいよ!」とおすすめを教えてくれたり、温かい気持ちになる場面がたくさんあった。
グルノーブルは小さい街だからか、穏やかでおおらかな人が多いように感じた。治安もパリなどの大都市と比べるとかなり良い。
だが、夜遅くに出歩くと不審者に遭遇したりバーでスリの被害にあったりするようなので、油断は禁物。自分の身を守る意識を持って、楽しく過ごそう!
ーグルノーブルの気候
「アルプスの麓の街」と聞くと「なんだか寒そう!」と思う方が多いのではないだろうか。結論から言うと、「冬の屋外は寒い。夏は暑いけど日本ほどしんどくはない」。
1月の寒い日だと氷点下4度や5度。寒い中、朝8時30分の1限の授業に行くのは正直つらかった。布団から本当に出たくなかった…。朝晩は特に冷え込むが、お昼の太陽が出ている時間帯はそこまで寒くない。(ただ日陰は凍えるほど寒い。) 昔はよく雪が積もっていたそうだが、温暖化の影響からか、最近は雪が積もらなくなったようだ。
外は寒いが、屋内はセントラルヒーティングで基本的に暖房がよく効いているのでとっても暖かい。外の寒さに耐えるために着ていた服が暑くて汗ばむくらいだった。冬にグルノーブルに行くなら脱ぎ着のできる服装をおすすめする。
春になると昼22度、夜2度という気温差の激しい日が続き、夏になるとどんどん暑くなっていく。
暑い日は最高気温が35度ほど。とはいえ、日本ほどの暑さではない。グルノーブルに限ったことではないが、フランスは日本と比べるとかなり乾燥している。なので、太陽が眩しくて気温も高いけど、カラッとしていて気持ち良い風が吹いていた。
湿気で蒸し暑い…とはならないが、フランスの住居には冷房が設置されていない場合が多く、私は窓を開けてなんとかしのいだ。フランスの窓には網戸がないからすごく虫が入ってくるけど。笑
そんな暑い日に食べる冷たいジェラートは最高!!
ーグルノーブルの交通手段
街にはトラムとバスが通っている。市街地にも大学の敷地内にもトラムとバスの路線がいくつもあるので結構便利。
また、自転車や電動キックボードのレンタルも可能。街でも大学でも多くの人が利用していた。大学やグルノーブル駅でレンタルできる。
トラム・バス共通定期券の学割や、自転車等レンタルの学割があるので、安くておすすめ。
さいごに
ここまでグルノーブルの街を紹介してきたが、いかがだっただろうか。文章と写真でグルノーブルの雰囲気を少しでも感じ取って楽しんでもらえたらうれしい。
そして、「いいな〜グルノーブル行ってみたいかも」と思ったあなた!パリもいいけど、ぜひ穏やかで自然豊かなグルノーブルを訪れてみてほしい。
その際はくれぐれも電車の乗り換えにお気をつけて!
(文・大内 祐佳)