留学予定者必見!2020年留学事情 〜オンライン留学のメリット・デメリットを大解剖〜

 

留学が予想外な方向に向かっている。

筆者(小林)も今年の夏からの派遣留学を予定していたが、現状では少なくとも一学期間はオンラインで派遣大学の授業を受けることが決まっている(詳しくは【どうなる!?気になる今年の留学事情 〜留学時期編〜】)。

また一方では、昨年の夏から留学し、今年の3月頃に急遽帰国した人たちもいる。昨年より派遣留学していた本記事のもう一人のライター(川本)もその一人だ。

今回はそんな、既にオンライン留学を経験した人、これからオンライン留学をする人、両方の視点からオンライン留学のメリット・デメリットについて考えてみる。

 

この記事のライター

小林かすみ:日本語専攻。2020年9月よりイギリスのロンドン大学SOASにオンライン留学予定。

川本みおこ:北アメリカ地域、英語専攻。2019年8月よりアメリカのジョージメイソン大学に派遣留学。3月からは日本に帰国しオンライン留学。

 

自宅でオンライン留学

メリット

⬜︎ 生活費を抑えられる

⬜︎ 生活習慣を変えずに、勉強に専念できる

⬜︎ 予防接種を受けなくていい

⬜︎ 日本の家族・友人と過ごせる

⬜︎ 就活には便利(?)

⬜︎ 留学準備により長い時間を充てられる

二つ目の「生活習慣を変えずに」というのは、例えば「シャワーではなく湯船に浸かりたい」、「美味しいお米を食べたい」といった、読者の皆さんも旅先などで感じたことがあるであろう、フラストレーションを感じないで済むということだ。そんな慣習の違いも、ある意味海外生活の醍醐味ではあるが、「ここだけは譲れない!」というポイントが誰しも一つや二つはあるはず。

また、留学先では必須で日本では任意の予防接種は、保険適用外なので費用がかさむ。特にアメリカは必要なワクチンの種類が多い。だからオンラインはその点経済的。

日本の家族や友人とは、海外へ行くと時差や日々の忙しさから頻繁に連絡が取れなくなってしまうことも多い。しかしオンラインではその心配はなさそうだ。何かと苦労や不安の多い留学初期、親しい人たちがすぐ話せる距離にいるというのは、心強いのではないだろうか。

 

それでは反対に、日本から派遣先大のオンライン授業を受けるデメリットは何があるだろうか。以下に私たち二人がオンライン留学のデメリット(不安や疑問を含む)だと感じる点をまとめた。

オンライン留学のデメリット

⬜︎ 時差

⬜︎ 課題

⬜︎ 機械トラブル

⬜︎ 授業の質の低下

⬜︎ サポート

⬜︎ 友達づくり、クラブ

⬜︎ 大学のイベント

⬜︎ 現地での生活を体験できない

現地の生活を体験できないというのは言わずもがな。

時差も、例えば小林の留学予定先のイギリスと日本は9時間差(現在はサマータイムのため8時間)。つまりイギリスで授業が終わる午後5時のとき、日本は深夜2時。夜型の人は対応出来るかもしれないが、その状態で家族と一緒に生活するとなると、やはりひと工夫必要になるだろう。

一方アメリカのジョージメイソン大学では、多くの授業が録画の視聴(オンデマンド)に切り替わり、時差の影響はほぼなかった。しかしそのような場合でも、課題の提出期限は現地時間に合わせなければならないため注意が必要だ。

課題といえば、参考資料はどうなるのだろう。これまで図書館を使う課題が出ていたのなら、オンラインでどのようにしてその点を補うかが疑問である。ちなみにアメリカでは大抵一つの授業につき数冊の教科書の購入が必要で、現地の人は図書館や書店で調達している。しかし値の張るものも多いので、中古の教科書を売り買いするサービスが発達している。これらのサービスがオンライン留学ではどれほど機能するのかも疑問だ。

またオンラインになって、授業の質が落ちたという意見も。例えば外大では現在、90分間の正規授業を基本リアルタイムで行なっているが、ジョージメイソン大学ではしばしば授業時間を短縮して課題で補填していた。また先述の通り録画視聴型のため、ディスカッションの機会が奪われてしまうということもあった。加えて今回のような急な事態におけるサポート体制が整わず、個々の教授の裁量に任せられていたという実態も。もちろん、対面とオンラインそれぞれに一長一短があるので一概には言えないが、授業の質が落ちてしまったり、必要なサポートが受けられなかったり、というのは問題だろう。

オンライン授業では、授業が終わればあとは退出するだけ。対面のときのように、授業後に教室に残って同じディスカッション・グループだった人と話す、といったことがそもそも起こり得ない。そんな中でどうやって友達を作ったら良いのだろうか。川本が留学中に所属していた学生交流のクラブも、オンラインになってからは活動頻度が減少した。

 

編集後記

今回のパンデミックで様々なものがオンラインになりましたが、留学もそのうちの一つだと思います。オンライン留学は新しい試みであり、不確実要素も多いです。そして、たいていの物事がそうであるようにメリットとデメリットがあります。準備してきた留学が思うようにいかず悔しい思いをしている方もいると思いますが、新しい留学の形を試行錯誤しながら楽しんでほしいなと思います。

(川本)

「現地へ渡航して学ぶ」ということが前提にある以上、オンラインでの留学にはまだまだ課題も多いようです。しかしこのような状況だからこそ、自身の留学の目的は何か、オンラインでもできること、そしてオンラインだからこそできることは何か、今一度問い直してみるのもいいかもしれません。私自身、ひとまず準備期間が延びたと思って、現在料理のレパートリーを増やすための努力中です。

(小林)

最後までお読みいただきありがとうございました。留学する人もそうでない人も、お互い工夫して実りある学生生活を送れますように。

 

(文・小林かすみ、川本みおこ)

見出し画像:mohamed HassanによるPixabayからの画像

About Kobayashi Kasumi 29 Articles
長期休暇に入ると海外行きたい欲求が高まる日本語専攻(2018年度入学)。2019-2022年度編集長。好きな本は片桐はいり著『グアテマラの弟』。