行き先は決まったけれど、予算の検討がつかない…。はじめての海外旅行マニュアル、第2回はお金の話!

「どれくらいお金かかった?」「一泊いくらくらいだった?」「一日いくらくらいで生活してた?」

旅行から帰ってくるとこの手の質問には非常に多く遭遇しますし、また私自身どこかへ旅行に行ってきた知人に対してこういった質問を投げかけることは多いです。

 

「お金」。旅を考える上では切っても切り離せない存在です。旅の予算を考えるといっても、必要になる金額は期間や行き先、旅行スタイルなどによって大きく異なります。3泊4日なのか、1週間なのか、アジアなのか、ヨーロッパなのか。旅をしよう!と思い立ったはいいけれど、「どれくらいお金を貯めればいいのかわからない…」そんな経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。

「ゼロからの海外旅行」、第2回の今回は、そんな旅にまつわる「お金」の話をしようと思います。

 

1. 旅に持っていくべきお金の量

旅行にかかる費用というのはおおむね以下の通りに分類されます。

 

・日本からの往復航空券

・パスポート代

・(必要な場合)ビザ代

・(必要な場合)国際学生証やユースホステル会員証など

・保険代

・宿泊費

・食費

・滞在先での移動費

・観光費(入館料や拝観料など)

・(必要な場合)おみやげ代

・予備(何かあった時のため)

 

そのほか、スーツケースやバックパックなど旅行に持っていくものを新たに購入する場合は別途お金が必要ですし、行き先によっては予防接種を打つ必要があり、それなりの費用がかかります。チップ制度がある国ではすこし多めに予算を組んでおくと安心かもしれません。

 

これらを順番に計算して足し合わせれば、旅行にかかるだいたいの費用がわかります。往復航空券は航空券比較サイトなどで調べれば簡単にわかりますし、パスポートや(必要な場合は)ビザの代金、保険代もインターネットで知ることができます。国際学生証(世界共通の学生証。美術館や博物館などに学生価格で入ることができる)やユースホステル(宿泊施設の世界的なネットワーク。会員になると世界各地のユースホステルにかなり経済的な価格で泊まることができ、提携施設の割引の適用が受けられることも。国によっては一般的なゲストハウスとそう変わらない値段のところもある)会員証などもそれぞれサイトを持っているので価格は簡単に調べられます。持って行くと非常に便利な国・地域もあればたいして役に立たない国・地域もあります。国際学生証でいえば、東南アジアではほとんど出番はありませんが(学生料金というシステムがあまり普及していないため)、ヨーロッパでは持っていると便利です。

 

観光費はすでに行きたい場所が確定している場合、メジャーな場所であればガイドブックに載っている場合が多いです。もし記載が見当たらない場合でも、ネット検索でまず大丈夫です。(場所によってはインターネットで予約をするとチケットが割引になる制度を導入しているので、事前に調べておくといいと思います)

 

宿泊費については、Booking.comAgodaなどの予約サイトで調べてみることをおすすめします。行き先と日程を入力すれば現時点で空室のある宿泊施設が一覧になって表示され、価格や口コミでの評価などによって並べ替えることができます。価格で並べ替えてみて、最低どの程度もっていれば泊まることができるのかを知ることが、予算を考える上での助けになります。

 

なかなか予想が難しいのは食費と滞在先での移動費です。ガイドブックには大抵いくつかのレストランが紹介されているのでそれを参考にするか、現地の物価について調べてみる、または実際にその地に行ったことのある人に聞いてみる、など地道に調べるしかないと思います。個人的な経験の話をすると、タイ、ベトナムなどの東南アジア諸国では基本的に路上の屋台だと1食200円〜、デパートの中のレストランだと900円〜くらいだったと思います。

 

ヨーロッパとアメリカは全般的に高く、田舎のほうでもレストランでは1食1200円〜、都心などでは2000円〜かかることも珍しくありません。売店などでサンドウィッチやピザを買って済ませる場合はだいたい700円〜です。

 

中米、南米は国にもよりますが東南アジアよりは割高、ヨーロッパ・アメリカよりは安く済む場合が多いです。アフリカやロシア、中東などについては行ったことがないので、情報を持っている方はぜひとも寄稿をお願いします!笑

 

滞在先での移動費も食費と同様、ガイドブックを読むか、行ったことのある人に聞く、または旅行記などを書いているブログを探してみる必要があります。国によってバス移動が安いところもあれば鉄道移動が安いところもあり、公共交通機関がほとんど使えないところもあります。ヒッチハイクという手もありますが、それは最後の手段にしておきましょう…。東南アジアでは基本的にバスか乗合タクシーが一番安いです。イタリアでは国鉄のリジョナーレを乗りつぐのが経済的で、スペインやフランスでは格安長距離バス会社が複数運行しています。

 

2. 旅に持っていくべきお金の種類

さて、以上の費用をすべて合計したものがあなたの旅のだいたいの予算です!ここで浮上するのが、「クレジットカードはいる?」「T/C(トラベラーズチェック)は必要?」「そもそも現金はいくら持っていくべき?」などなど、お金の種類についての疑問です。

 

個人的には、クレジットカードは(場所にもよりますが)必要だと思います。両替所が見つからずに現地通貨の手持ちがなくなってしまっても安心ですし、キャッシング機能があれば現金を引き出すこともできるからです。日本人の旅行先として人気の高いフランスやイタリアなどは特にクレジットカードがあれば現金は必要最低限でいいと思います。基本的にどこででもカードが使えますし、現金を両替する場合にかかる手数料や手間などが必要ないからです。バスや小さなお店では使えないこともあるので注意が必要ですが…。東南アジアなどでは使えるところが限られていますが、それでもなにか高価なおみやげを買う場合や万が一現金をすべて盗まれてしまったときなどに備えて1〜2枚持っておくと安心だと思います。

 

T/C(トラベラーズチェック)とは、旅行小切手のことです。盗難時や紛失時の再発行が可能なのが最大の特徴で、いまでもガイドブックにその運用について載っていることがありますが、日本国内での販売は終了しています。現金とクレジットカードがあれば十分だと思います。

 

現金は、先ほど述べたようにクレジットカードがかなり普及しているヨーロッパ・アメリカなどではそこまで必要ではありません。予算全体の2〜4割程度で大丈夫だと思います。逆に東南アジアなどに行く予定の方はすこし多めの5〜7割程度を持っていくべきかもしれません。現金を多く持つということはそれだけ盗難のリスクも高まるということですので、首から下げておくタイプや腹巻タイプの貴重品袋などを活用して、十分注意を払っていただければと思います。

 

以上、長くなりましたが「旅にまつわるお金」の話を私自身の経験に基づいてさせていただきました。記事を読んでの疑問点や「ここが知りたい!」という意見などがありましたら、トップページのアンケートや「連絡先」ページの問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

 

(文・三橋 咲)

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「人の顔が見える記事」を目指して。ことばと旅がすきなTUFPOST代表兼Wonderful Wander編集長です。