
2025年1月29日。
上の日付、日本人にとっては何でもない日でしたが、お隣の国、中国では一年の中で最も重要と言っても過言ではない日を迎えていました。
正月です。中国では旧暦に従って年明けを迎えるため、日本と異なり、年ごとに正月の日付が変わります。今年の年越しは、1月29日でした。知っているようで知らない中国の年越しについて、今回は実際に中国人の家庭にお邪魔し、一緒に新年を迎えてきた私が、レポートします!
今回私が訪れたのは、中国の山西省。一体どんなところか、イメージが湧きにくいですよね?

山西省は、中国の北部に位置する省です。2月の気温は最高気温5度、最低気温-10度程度と、東京よりは格段に寒い地域です。ダウンコートは必須でした!
物価は日本の4分の1ほど。上海の物価は東京と変わらないと言いますから、国内の経済格差の大きさがうかがえますね。

今でこそ、沿海部の都市に比べると貧しい山西省ですが、じつはここには、旧石器時代から集落があったことから、中華民族発祥の地ともいわれています。また、傾国の美女として知られる楊貴妃が生まれた場所としても有名です。
しかし、何といっても有名なのは刀削麺!刀削麺は山西省発祥であることを皆さんはご存じでしたか?山西省は麺を食べることが多く、山西省でしか食べられない麺料理がたくさんあります。
山西省、だんだん興味がわいてきましたよね?
ここからは、私が体験してきた、中国の年越しについてレポートしていきます!
年越し~过年~
大晦日 1月28日
大みそかに当たる、1月28日。街中では多くの人が、年越しの飾りつけである対聯や横批を貼っているのを目にしました。

対聯とは、ドアの両側にある細長い紙を指し、横批とはドアの上に貼ってある紙を指し、一年の幸福を願う文字が書かれています。
実は、この飾りつけは一年中そのままで、次の大みそかの時にまた貼り替えるのです。一年粘着力を維持させるために、この飾りは、浆糊と呼ばれる、小麦粉で作った糊で貼ります。


赤い対聯が、街のいたるところに飾られていると、中国のお正月だという感じがしますよね。対聯を貼る作業は結構手間がかかるため、滞在中に、家族で協力して対聯を貼っている光景をよく目にしました。日本だと、門松を出す家庭も少なくなってきたと思いますが、中国は伝統的なお正月の形が残っていて、素敵だなと感じました。
大晦日の夜です。中国の大みそかの食事は、年夜饭と呼ばれ、家族が集まり豪華な食事を食べるのが一般的です。とはいっても、さすがは広大な中国、北と南では食べる料理が全く違います。今回私がお邪魔した山西省は北部にあたり、年越しは水餃子を食べることが多いです。

年夜饭は、水餃子、ラム肉の煮込み、水煮魚など、豪華な食事を家族と食べました。

年越しの瞬間
そして夜になり、とうとう年越しの瞬間がやってきました。皆さんは、中国の正月と言えば爆竹のイメージがあるかもしれません。しかし、なぜ中国人が新年に爆竹を鳴らすか知っていますか?
もちろん、信念を迎えるお祝いとしても鳴らされますが、実は「魔除け」の意味もあるのです。中国では、「年」という怪物が年越しの瞬間に人々を襲うという伝説があります。そのため、爆竹を鳴らし、大きい音を出して「年」と追い払うのです。
これが、実際の年越しの瞬間です。
非常ににぎやかですよね!
上海などの大都市では、空気汚染の影響もありそこまで派手に爆竹は鳴らさないそうですが、比較的田舎である山西省では一晩中爆竹の音が聞こえてきました。私はいつも年越しの瞬間は待たずにさっさと寝る方なのですが、中国の年越しでは無理でしたね。
そして、爆竹とセットで、忘れてはならないのは、花火!
勢い良く打ちあがる花火をこんなに間近に見れたのは初めてで、興奮しました。
中国の年越しは、家の中も外も、非常ににぎやかでした。
1月29日
とうとう迎えたお正月。山西省では、お正月の期間は親戚の家に出向き、各家庭の料理上手が振る舞う料理を食べる、という風習があるのです。
例えば、この料理。

レストランと見まがうほどの、品数と豪勢なおかず。一般家庭の食卓がこのレベルとは、中国人の正月にかける思い、恐るべし。味も一級品で、これまで食べた中華料理で一番おいしかったです。
驚いたのは、男性が料理担当であるケースが非常に多かったこと。上の画像の料理も、男性が作っています。中国では夫婦共働きの家庭が多いことから、料理は上手な方が作ればいいという考えがあります。男性が厨房に立って料理をする姿はあまり見たことがないので、驚きました。
以上が、中国の年越しです。日本の、紅白歌合戦を見て年越しそばをすする年越しに比べると、中国の年越しはなんてにぎやかなのだろうと感じました。
次の記事は、中国のグルメです。
チャーハンや酢豚だけじゃない、中国のリアルグルメをレポートしますのでお楽しみに!