旅先でお酒を楽しむことは、どうしてあんなにも楽しいんだろう。

たまたま行き着いた街角や、ずっと行きたかった観光名所、疲れ果てて迷った先のさびれたお店。

自分にとって新鮮で、いるだけで心が躍るような場所にたどり着いたとき。その土地のお酒は、その場所と自分との繋がりをつくってくれるような気がする。縁もゆかりもないけれど、旅先の街角でちょっと落ち着いて、ここでのんびり楽しんでいっていいんだ、と促されているような。旅先の空気と飲むお酒に間違いはない。

もちろん、旅先での油断は禁物だから、お酒もほどほどに。だからこそその土地が生んだお酒を存分に味わっているのかも・・・。

今はまだふらっと旅に出られない。だけどまたいつか、どこかの通りですてきな瞬間をつくるお酒に出会える日は来るはず!

次に旅に行ったら、こんなお酒を試してみては?行く先々で出会った、地産のビールをご紹介。ビールの味を語れるほどに舌は肥えていないけど、旅先の思い出と美味しいビールならお任せを。

ハノイ 【ビア・ハノイ】

ベトナム北部の都市ハノイ。憩いの場所であるホアンキエム湖の周りをのんびり歩く。一歩路地に入ると、露天や人でごった返していて楽しいけれど、迷路のような小道は一度迷うとなかなか戻ってこられない。だから、目的地に向かうより、なんとなく歩いてたどり着いた所を散策する方がいい。

ちょっと疲れた体を潤すのは、夜のビア・ハノイ。赤とか青の鮮やかなプラスチックの椅子に座って、破格のフォーを待ちながら。さっぱりしたのどごしは、湿気の多いハノイの空気と、パクチー大盛りの牛肉のフォーと相性が良すぎてやみつきになる。

ルアンパバーン 【ビア・ラオ】

ラオスのルアンパバーンは、街全体に心地よい静けさがありながら、人々の優しい対応に癒される。早朝の托鉢、観光客が集まる古い寺院、夕方になると突然あらわれるナイトマーケットに浸ったら、ビア・ラオで落ち着こう。

ラオスの名物、ビア・ラオもまた軽い口当たりで疲れを忘れさせる。ちょっと苦みがあるのもまた癖になるので、日本でも見つけると逃れられない。東南アジアのビール、口あたりの良さと気候が相まって止まらない。

ラルナカ 【レオンビール、ケオビール】

地中海のダークホース、キプロス。ラルナカは東の端にある第二の都市で、ヨーロッパからのリゾート地として人気。そんなラルナカは冬がおすすめ!というのも、たまたま冬に訪れたら、オフシーズンで宿泊先が激安で人も少なめだったから。そして何より、寒いのに海が心地よい!さすがに海水浴中の強すぎ地元民には混ざれないけれど、ひたすら続く海沿いを歩くだけで潮風を感じて癒される。

一歩内陸に向かって歩けば、ギリシアのような白と水色基調の建物が並び、突然出くわす中世の教会はぎらぎらのイコンで埋め尽くされている。そしてふらっと入るコンビニには地産のビールが何種類も!こんなに小さい島なのに、地元のお酒の種類が多すぎる・・・

おすすめは、キプロス最初のビールブランドのレオンビールと、香り強めで飽きないケオビール。デザインも推せる。

ベイルート 【アルマザ】

レバノンの首都ベイルート。中東だけど、レバノンはワインやビールなど国産もわりと豊富。そして、レバノンで一番人気(多分)がアルマザ。アラビア語で「ダイヤモンド」の意味を持つアルマザは、ちょっと薄めだけど飲みごたえがあって、レバノン料理との相性も抜群。

日本のように道端や外で飲んでもOKなので、街中に散在する階段や、地中海を眺めてビーチで飲むのが最強。ポイ捨て大国のレバノンでは街中のあらゆる場所でこの緑の瓶を目にするのもご愛敬?(ではない)ほんのり味がついたアルマザ・レモンもおすすめだけど、ちょっとレアかも。

ペトラ 【ペトラビール】

かの有名なペトラ遺跡。ヨルダンには、この名前を冠したビールがある。そして、それをなんとペトラ遺跡の敷地内でも売っている!ペトラ遺跡を訪れたことのある人なら思い出すかもしれないけれど、ペトラはとにかく歩く。ひたすら暑いので早朝に出発して、やっとあのインディー・ジョーンズの場所にたどり着いたと思っても、その先に待つ大迫力の遺跡を見たければ、まだかなりの距離が待っている。

そんな大冒険を経て、ビールが美味しくないわけがない!ということで、誘惑に負けて飲んでしまった。値段は絶対思い出したくないくらいに高い。ロバにもラクダにも乗らず、ホステルに泊まったけれど、ビールには勝てない。古代遺跡で飲むお酒もまた、旅の醍醐味かもしれない。

旅の思い出ビールはきっと十人十色で、旅人を集めたら話が止まらないだろう。またすぐに新しいお酒に出会える日を待って。そして、もしこんな所にいったらぜひ、今回のおすすめビールを探してみてほしい。

(文・大竹くるみ)