
今回はベトナムの(旧)正月について紹介したいと思う。
ベトナムではお正月を「テト」と呼ぶ。
日本とは異なり旧正月を祝うため、年によって日にちが前後するが
参考までに2020年を例にすると
旧正月は1月25日で、祝日期間は1月23日~29日である。
テトは一年で最も大規模な祝日であり、数少ない大型連休の一つとも言える。
私がベトナムを旅行したときはハノイで旧正月を迎えたが
その前に、ホーチミン・ホイアン・フエを旅行し
ホリデーシーズンに沸く街並みを楽しんだ。
1.新年のお祝い+○○○○
お正月は新年を祝うものである。
1月1日を祝う国でも、旧正月を祝う国でもその点は大差ないように思える。
しかし、ベトナムではご先祖様に感謝する機会でもある。
日本でいうところのお正月とお盆が混ざったような連休なのだ。
実際、私の宿泊先でも
ベトナム人オーナーの方が宿の裏にあるお仏壇に
大量のお供え物をしていた。
だいたい約2週間飲み食いできる量をお供えするらしく
お仏壇の前は食べ物であふれかえっていた。
お供え物のうち生もの等は、お正月のために集まった家族や親戚と食べ
日持ちするような物はしばらくお供えしたままである。
私も、お供え物のおすそ分けを頂き他の宿泊客と一緒に食べた。
↑頂いたおすそ分け。鶏肉入りのちまきと春巻き
2.派手なお祝い
テトが近づくと関連商品が店先に並ぶ。
きれいにラッピングされたお菓子や飾りつけ用の道具などなど
だいたいの商品は赤や金で構成されているので
店先が一気に華やかになる。
また、各地でイルミネーションを見ることも出来る。
イルミネーションというとクリスマスのイメージが強いが
ベトナムでは新年を祝うイルミネーションも豊富だ。
また、花火の打ち上げも有名である。
私が滞在していたハノイでは
市内の複数箇所で大みそかの深夜から日付が変わる瞬間にかけて花火が打ち上げられた。
多くの人が集まり、花火と新年を迎える瞬間を楽しんでいた。
私が海外のお正月を経験したのはベトナムが初めてだった。
なにも、狙って行ったわけではなく
日本でオフシーズンだからと思って予約したら、たまたま旧正月だったという
偶然と知識不足の結果である。
実際、ベトナムの国内移動費や観光費は若干高くついてしまった。
しかし、現地の祝日を体験するというのは意外と面白い出来事であった。
同じ宿の宿泊客の人とお祝いし、現地の方にお正月のことを色々教えてもらったのは貴重な経験で
思いがけない楽しみを得た。
(文・川本みおこ)